(4)中国
『レッドクリフ Part I』(2008年)
ジョン・ウー監督。明代に書かれた中国古典『三国志演義』のクライマックスである“赤壁の戦い”を、製作費100億円で実写化した。
曹操率いる数十万人の大軍を、孫権・劉備連合軍がわずか数万人で打ち負かした“赤壁の戦い”。前編となる本作では、劉備軍の天才軍師・諸葛亮(金城武)が孫権軍に同盟を持ちかける。孫権に仕えた軍師・周瑜はトニー・レオンが演じている。
金城武の諸葛亮がとにかくかっこいい。
『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』(2009年)
『レッドクリフ』後編。遂に曹操軍vs.孫権・劉備連合軍の戦いが幕を開ける。疫病で亡くなった兵士の遺体を乗せた船を送り込んでくる曹操軍に、孫権・劉備連合軍はいかにして立ち向かうのか。
『HERO/英雄』(2002年)
チャン・イーモウ監督。ジェット・リー、トニー・レオン, マギー・チャン, チャン・ツィイーなど中国を代表する豪華キャストが魅せる、歴史スペクタクル。色鮮やかな衣装は、世界的デザイナーのワダエミが担当。大迫力の映像美も話題となった。
戦国時代末期の中国。常に命を狙われている秦王(始皇帝)のもとに、ひとりの男(ジェット・リー)が刺客を倒したと名乗り出た。彼の名は、無名(ウーミン)。秦王に特別に謁見を許された彼の本当の目的とは……。
『ラストエンペラー』(1987年)
イタリア人のベルナルド・ベルトルッチ監督が4年もの歳月をかけて製作した、歴史大作。アカデミー賞で作品賞、監督賞を含む9部門受賞した。
約3歳で宣統帝として即位した、清朝最後の皇帝・宣統帝愛新覚羅溥儀の生涯。第二次世界大戦、東京裁判、そして文化大革命と激動の時代を生きたひとりの人間として描いている。
(5)アメリカ
『リンカーン』(2012年)
スティーヴン・スピルバーグ監督。伝記作家ドリス・カーンズ・グッドウィンの『リンカン』が原作。ダニエル・デイ=ルイスがエイブラハム・リンカーンを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した。
第16代アメリカ合衆国大統領のリンカーンは、南北戦争中の1963年に奴隷解放宣言を公布。その2年後に暗殺された。本作では、リンカーンの人生最後の4ヶ月の姿を映像化した。
『アミスタッド』(1997年)
こちらもスティーヴン・スピルバーグ監督が手掛けた感動の歴史大作。アンソニー・ホプキンス、マシュー・マコノヒー、モーガン・フリーマンのオスカー俳優陣が迫真の演技をみせている。
1839年にスペイン籍の奴隷船で起こった奴隷による反乱『アミスタッド号事件』に基づく。奴隷として強制連行されたアフリカの人々を救出するため、ジャーナリストのセオドア・ジョッドソン(モーガン・フリーマン)や弁護士ロジャー・ボールドウィン(マシュー・マコノヒー)が奮闘。ジョッドソンとボールドウィンは、元大統領で弁護士のジョン・クィンシー・アダムズ(アンソニー・ホプキンス)にも助けを求める。
『マルコムX』(1992年)
スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演。マルコムX本人とアレックス・ヘイリーの共著『マルコムX自伝』に基づく。
1950年代から60年代にかけてアメリカで広まった公民権運動。そのリーダーのひとり、マルコムXの生涯を映画化した。キング牧師とは対照的に、過激かつ攻撃的な言動で知られたマルコムX。彼は1965年に、39歳の若さで暗殺された……。
『JFK』(1991年)
オリバー・ストーン監督、ケビン・コスナー主演。ケネディ暗殺事件を捜査していた検事ジム・ギャリソンの『JFK ケネディ暗殺犯を追え』が原作。
1963年、テキサス遊説中に暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領。地方検事ジム・ギャリソン(ケビン・コスナー)が、謎多き事件を追いかける。
『それでも夜は明ける』(2013年)
ブラッド・ピット製作、スティーヴ・マックィーン監督。アカデミー賞、ゴールデングローブ賞をはじめ数々の映画賞を獲得した感動の大作。自由黒人ソロモン・ノーサップの奴隷体験記『Twelve Years a Slave』が原作。
自由黒人のヴァイオリニスト・ソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)はある日奴隷商人に誘拐され、その後12年間にわたって奴隷として生活をおくることになる。教養と知性に富む人物だったソロモンが、いかにして過酷な奴隷生活を乗り越えたのかを綴っている。
『アンタッチャブル』(1987年)
ブライアン・デ・パルマ監督。主要キャストはケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロと超豪華。敵も味方もかっこよく、根強い人気を誇るマフィア映画。
1920年代から30年代の禁酒法時代にシカゴを牛耳っていた、“暗黒街の帝王”アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)。“打倒カポネ”のために結成された財務省捜査官チーム「アンタッチャブル」のメンバー、エリオット・ネス(ケビン・コスナー)の視点から見たカポネ逮捕劇。
(6)ドイツ
『シンドラーのリスト』(1993年)
自身もユダヤ系であるスティーヴン・スピルバーグが監督し、アカデミー賞を総なめにした。カラー映像が主流の時代に、敢えてモノクロで製作された。白黒の画面に少女の赤い服だけが浮かび上がるシーンも、話題となった。
第二次世界大戦中のホロコーストからユダヤ人を救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)の実話に基づく。シンドラーは自身が経営する工場に強制収容所のユダヤ人を雇い入れ、1,200人の命を救った。