夫婦ともにフルタイムで働く共働き世帯の割合は年々増加しているが、それに伴って増えているとは言えないのが「家事シェア」だ。
調査会社による最近のアンケート調査を見ると、家事は妻がほとんど担当するというのが3割近くに及び、夫が多少手伝うというのは約4割。二人ともフルタイムで働いているのだから、きっちり分担というのは3割しかいない。しかも、夫の側は、妻に多くの負担がかかっていることを、あまり認識していないというデータもある。
「家事シェア」の不公平感は、夫婦間のトラブルの火種をはらんでいるが、これを解決しようと開発されたのがスマホ用無料アプリの「Smuzoo」だ。
「Smuzoo」の基本的な使い方
「Smuzoo」は、初期設定時に家族構成や住まいの間取りといった情報を入力。それに基いて、「家事カード」というものが何枚も与えられる。家事カードは、「仕事部屋」、「洗面所」、「子と遊ぶ」、「買い出し」、「洗濯」など、種類もいろいろ。
例えば、この中にある「寝室の掃除」カードをタップすると、以下の画面に切り替わる。
このカードには「モノを整理する」と「掃除用品を買う」に始まって、最後の「新しい寝具に替える」に至る、寝室掃除に必要な全タスクが網羅されている。これを夫婦、そして時には子供もまじえて、どうシェアするかを相談し、以下のような感じで各タスクを割り当てていって、掃除を実行する。
各タスクを誰がやったかスタンプを押していく(家族のメンバーは「す」など頭文字の平仮名アイコンで明示)
全部が完了したら「イイね」マークが付いて、「完了したカード」カテゴリーへと割り振られる。
この要領で、未完了のカードがみな完了したカードになったらミッションコンプリート。今日の家事は首尾よくシェアされて、1日が幸せに終わる。
もう1つ、「次やるリスト」というインターフェースもある。これは各人の担当分が一覧化されたもので、終わったら該当項目をタップして消してゆくというTo Doリスト。
そして、今日(または1週間のスパンで)やるべき家事がどれほど消化されているのかが俯瞰できる、「達成度」画面もある。
このほか、設定目標に対する家族内のチーム・個人の達成度が確認できるなど、やる気をアップさせる仕組みがあり、今後は通知・メッセージ機能など、機能を拡充してゆくという。
1日でも使ってみるとわかるが、「Smuzoo」は、ゲーム性といったギミックに走ることなく、家事の全体量と家族間のシェアを「見える化」させるよくできたアプリだ。そして、男の側から見て実感されるのが、一口に食事や掃除と言っても、そこには多くの段取りがあるという点。はじめて未完了のカードの数々を見たら、タスクの多さに圧倒され、しばらく奥さんには頭が上がらない。