どうして富士山?どうして茶畑?
ちなみにお茶屋さんの装飾で良く目にする「富士山の写真」や「茶畑をイメージした装飾のあれこれ」
色あせてもなお貼られているものから、レジ横にわざわざラミネートされて綺麗に貼られているものまで良く見かけるのですが…個人的にどうしても気になっていたので
「どうしてお茶屋さんは富士山や茶畑を店内に貼るの?」という質問もしてみました(笑)
「うちはお茶屋さんですよとわざわざ言わなくても、あ、お茶屋さんだとお客さんにわかってもらえるというのもあると思うんですよね(笑)富士山が嫌いな人はいませんし、富士山⇒静岡⇒お茶!茶畑⇒お茶!という良いイメージがあるからじゃないですか(笑)」
考えれば、お茶屋さんは「茶畑」と「お茶を飲む人」との中間点ともいえる場所。
特に産地から離れた都市でお茶を販売しているお店としては「自然の中でお茶は育つんですよ」「茶畑ってとってもきれいなんですよ」「こんな美しい場所でお茶がつくられているんですよ」ということをなんとかしてお客さんに伝えたいという気持ちが膨らんで当たり前。
そんなお茶への愛と良さを伝えたいという想いが、店内の写真や装飾に出ているのかもしれません。
最近ではスーパーなどでもお茶を購入できることもあり、お茶屋さんに足を運ぶ人が少なくなっているとも言われていますが、まさにお茶屋さんはお茶についてなんでも教えてくれる「あなただけのお茶コンシェルジュ」です。
オシャレな日本茶カフェやお店が続々オープンしている今だからこそ、改めて昔ながらのお茶屋さんに行ってみると、新たな発見が見つかるかもしれません。
取材させて頂いた君野園 http://www.kiminoen.jp/
アメ横近くの住民に長らく愛されている味わいは「とろ~り」だった!?
【今日の一杯】君野園 宝寿
「全国の人に好まれるお茶」というよりは「お店のお客様の好みに合わせたお茶」を目指しているという君野園の「宝寿」はとろーーりとした濃いめのお茶。
お店をふらっと訪れたお客さんにもこのお茶がそっと差し出されていました。
アメ横という土地柄、お店を訪れるお客さんも地元の方から、修学旅行生、外国人観光客まで様々。
知る人ぞ知る人気メニューである「抹茶ソフトクリーム」目当てでお店に足を踏み入れたお客さんが、お茶を飲んでそのおいしさに思わず驚く姿もチラホラ見受けられました。
文/茂木雅世(もき まさよ)
ティーエッセイスト/煎茶道 東阿部流師範/日本茶アーティスト
お茶好きがで高じて、2009年、仕事を辞めてお茶の世界へ。2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまい始め、現在はお茶にまつわるモノ・コトの企画・商品プロデュース・コラム執筆やメディア出演などの活動を行っている。FMyokohama「NIPPON CHA茶CHA」では最新のお茶情報を毎週発信中。
オフィシャルサイト:https://ocharock.amebaownd.com/
Twitter:https://twitter.com/ocharock