02:年中食べられるかき氷!あらたな奈良の名物に
いまふつふつと熱い人気を集めているのが奈良のかき氷だ。すでにいくつもの人気かき氷店が激戦中だというが、今回(1月中旬)訪れたのはかき氷専門店「ほうせき箱」である。専門というのは多くのお店が洋食や和菓子など主となる業態の傍夏だけかき氷を販売しているのに対して、「ほうせき箱」は通年でかき氷を専門販売しているのだ。え、冬にかき氷なんて売れるの?と思われるだろうが、冬の売れ行きを伺うと決して悪くはないようだ。ここのかき氷を食べるために遠方から来るお客もいるほどだという。そして夏に至ってはもう大変な混雑となるそうで、収集がつかない時には朝一から夕方までの整理券を配布し、時間を区切って来店してもらうというから驚きだ。肝心な氷にはこだわりがあって、天然氷ではなく人工的に72時間もの時間をかけて凍らせた氷を使用している。これが不思議と大きく頬張ってもふんわりとやさしく溶けて冷たすぎることがない。特殊な装置でミルクやヨーグルトをムース状にしたエスプーマをたっぷりのっけるのが「ほうせき箱」流の味付けである。
奈良県産のイチゴを用いた看板商品「いちごヨーグルト氷」920円。
「琥珀パールミルク氷」810円。どのメニューにも氷を覆うようにしてのっているものは、ミルクなどの材料をムース状にしたエスプーマ。そのほか「オレンジオレンジキウイ」920円や「いちごカスタード氷」970円といった果物を使ったメニューが豊富だ。
店内はオシャレ抜群の店内。このカウンター席のほか奥にはテーブル席も複数用意されているのでグループでの利用も安心。
店主の平井宗助さんは奈良の柿の葉寿司の老舗に生まれ一度は勤めていた。しかし一念発起してこの店を開店させたのは2015年のことだ。「奈良は和菓子やお茶、それこそ柿の葉寿司という名物は知られているけど、それらを好んで求めるのは限られた人だけなんです。奈良の仏閣は世界的に知られているというのに食文化はそうではないことがずっと引っかかっていました。もっと裾野の広い老若男女に食べてもらえる奈良名物をつくり出したいと思ってかき氷専門店をはじめました」と語る。氷室神社の縁の地でもある奈良はもともと製氷の技術が高かったことから、かき氷が当たり前に食べられていたことも一つの要因だという。
店主であり社長の平井さん。奈良の食文化を変えていきたいという思いが昔からあったという。「ほうせき」とは奈良の古い言葉で「おやつ」という意味だと教えてくれた。
ほうせき箱
奈良県餅飯殿町47
木曜定休
冬季 土日祝月10:00〜19:00 火水金10:00〜17:30
通常期 10:00〜20:00(L.O 19:00 売り切れ次第終了) 8:30より整理券配布