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2019.02.23

大仏と鹿だけじゃない!大人の修学旅行に行きたい「奈良」の魅力

改元を目前に控え、日本の歴史を振り返る機会も少なくないだろう。そんな折、奈良のいまホットな社寺をめぐるプレスツアーの知らせを受けた。企画したのは東海道新幹線を運行するJR東海。テレビCMなどで「うまし うるわし 奈良」のキャッチコピーでおなじみの奈良観光キャンペーンの一環だ。しかしお寺めぐりとは、鉄道カメラマンの私、山下大佑にどんな由縁があってのことか。「大仏と鹿くらいしかろくに見た記憶がないぞ」そんな不安とカメラと、あと久方ぶりの奈良訪問への期待を少々もって、N700系のぞみ号に乗り込んだのだった。

この世に蘇った中金堂、国宝だらけの興福寺

最初の訪問地は興福寺。歴史好きならその名を知らない人はいないだろうが、奈良時代に繁栄を誇った藤原氏の氏寺で、奈良市観光の中心地だ。これまで奈良公園の象徴と思っていた五重塔もまぎれもなく興福寺の堂塔のひとつだということを今回私は初めて知って恐縮だった。無知な言い訳ではないが、もともと興福寺境内だったところを140年ほど前に公園にしたのが奈良公園で、江戸時代まで遡れば境内はいまの何倍も広かったというのだ。

興福寺の伽藍[がらん]における中心は中金堂[ちゅうこんどう]という建物。去る2018年10月に再建を果たした新築のお堂だ。中金堂はこれまで焼き討ちにあったり落雷にあったりと7度の焼失と再建を繰り返していたそうだが、1717年の7度目の焼失時には資金繰りから復興が実現せず、この度かれこれ300年ぶり8度目の建立と相成った。平城遷都後1300年にもわたる壮大な〝七転び八起き〟ストーリーである。また創建当時から残る石の基壇の上に当時と同じ様式で中金堂を蘇らすことで、興福寺全体が古の姿に戻っていくという“回帰”でもあるという。今日に生けるもの皆初めて目にする中金堂というのもなんだかロマンチック。

ちょっとおもしろいのは、古き良き日本の堂宇再建に選ばれた木材が外国産だということ。巨大な中金堂の屋根を支える66本の柱、その多くがカメルーン産のアフリカケヤキである。これだけ太くまっすぐな木材はもはや国内の森林には見つからないという。よくよく考えてみれば仏教自体もインドからはじまって伝来されたもの。材料云々が純国産でないことに驚くのは仏道に疎い者の先入観からだろう。やりがんなで仕上げられた趣ある柱表面に触れて、遠くアフリカの大地を感じてみるのもおもしろい。個人的には正面の列柱空間に立ち、柱越しに五重塔を眺めるのがフォトジェニックだった。その五重塔は2020年以降に修繕工事が予定されているため、この景色を見るのはいまがチャンス。もちろん久しぶりに本来の場所に戻った中金堂のご本尊へのお祈りも忘れずにしたい。

こちらが中金堂。一部を除き、多くの基壇が創建当時のもの。ということは、当時と全く同じ場所に建っているということ
拝観料 大人500円、中高生300円、小学生100円
9:00〜17:00(入館16:45まで)

(上)約7万1000枚の瓦が使われており、建築中には勧進で浄財を収めた者は瓦の裏側に芳名や言葉を入れることができた。
(下)中金堂おすすめフォトスポットの眺め。風鐸(ふうたく)をあしらうのがミソ。

こちらは現代人にもなじみ深い東金堂と五重塔。来年以降、五重塔の修復工事に向けた調査が始まると、再び完全な姿が見られるのは十数年先になるだろう。

奈良時代から残っていた基壇に建ったという中金堂だが、境内を見渡せばあるわあるわ、基壇の数々。仏堂である西金堂(さいこんどう)をはじめ、鐘楼や室(むろ)、南大門など残念ながら現存しない建物がまだまだあることを物語っている。全てが再建された姿を今生のうちにお目にかかりたい。

鐘楼があったと思われる基壇

つぎに西方に建つ八角円堂の北円堂[ほくえんどう]を見せていただいた。通常、春と秋の年に二回しか開扉しないというので、このプレスツアーの特別対応だ。こちらも焼失にあったものの1210年ごろ再建された興福寺では現存最古のお堂である。度々燃えた中金堂に比べて800年ほど無事に過ごしていて、建物自体が国宝指定だ。安置されている仏像も鎌倉時代に造立された国宝彫刻だらけ。教科書に出てくる仏師・運慶を筆頭に慶派と呼ばれる弟子たちが造立したとされる。その中で心掴まれたのは、四天王像のそれぞれ足元にいる邪鬼の姿。体をくねらせて踏みつけられている邪鬼たちの表情もとても愛らしい。興福寺の仏像のほとんどは撮影禁止なのでお見せできないのが口惜しい。

伽藍の中で北西に位置する北円堂。
2019年春の特別公開
4月20日(土)〜5月6日(月) 9:00〜17:00
拝観料 大人300円、中高生200円、小学生100円

伽藍の中のひときわ現代建築、こちらは現存仏堂には収まりきらない仏像が集約された国宝館。ここも館内は撮影禁止とのことだが、さっき四天王に踏みつけられていた邪鬼が立ち上がった像が2体あった。燈籠を抱え堂々と立つ姿は、踏みつけられている姿に比べると幾分勇ましく感じられた。余談だが、全国の国宝彫刻の1割以上を所蔵する興福寺だけあって、この建屋ももちろんだが中の仏像それぞれが免震機能のついた土台に載っていて、先の大阪府北部地震も無事に過ごした。

人気のある阿修羅様や、大きな千手観音様などが安置。関連グッズも買える
拝観料 大人700円、中高生600円、小学生300円
9:00〜17:00(入館16:45まで)

興福寺
奈良市登大路町48
近鉄奈良駅 徒歩5分 有料駐車場有

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