イータリー人気の秘訣2:リアルの場を大事にし、ファンとの絆を深める
イータリーにはキッチンルームが併設されており、イタリア料理教室やワインとチーズのマリアージュを学ぶセミナーなど、イタリアの食文化を体感できるイベントが数多く開催されています。
これらは有料のイベントですが、誰でも気軽に参加できる無料イベントも多く実施しています。
例えば、クリスマス前にはシュトーレンの歴史を学んだ後、シュトーレンの食べ比べをするイベント(巨大シュトーレンの試食もあり)、
MIT(マサチューセッツ工科大学)とコラボレーションして、20種類ほどのイタリアの伝統菓子を食べるイベントなどが開催されました。
また、イータリーに買い物に行くとお店の人が積極的に話しかけてきてくれます。店内をブラブラしていると最近入ってきたオススメの新商品について語ってきてくれたり、ワインのテイスティングをさせてくれたり、イタリアの市場のようにお店の人との対話を楽しむインタラクティブなスタイルを大切にしていることが感じられます。
SNSなどのデジタル施策が主流となっている現在だからこそ、リアルの場でお客様との対話を大事にし、関係性を構築していることがイータリーがファンから愛される理由かもしれません。
イータリー人気の秘訣3:店内での行動を連動させる
レストラン、商品販売、イートインスペースが全てスペース内にあるイータリーでは、店で食べて気になった料理に必要な食材をその場で購入することができます。たとえば、レストランで魚介のパスタを食べて気に入れば、店員に食材や調理法などを聞き、帰りがけにパスタ、魚、パスタソースなど必要な食材を全て購入できます。
馴染みのない食材を目にした際は、その食材を使用したデリを購入し、その場で食べることで味を確認することができます。
このようにイータリーでは店内での行動を連動させることで、顧客の購買体験を向上させています。
今後は「交流」の場として機能していく?
イタリアという「場所」をコンセプトに、その国のライフスタイルを体感できる「食のアミューズメントパーク」を創り上げたイータリー。
単に食事や買い物をするだけでなく、友人を誘ってイベントに参加したり、店員との交流を楽しみながらショッピングができるイータリーは今後「コミュニティの場」としても機能するようになるかもしれません。
文/小松佐保(Foody Style代表)