恋は障害があるほど燃える……と言いますが、パートナーと何十年も生活を共にする結婚ともなると話は別。「格差婚」という言葉は芸能人の結婚報道などでよく耳にしますが、実際にはどのような格差が存在するのでしょうか。家柄、収入、学歴などの格差を乗り越えて幸せな夫婦生活を送るための方法を分析しています。
格差恋愛や格差婚を描いたドラマは数知れず
家柄や社会的地位など、愛しあう二人が格差を乗り越えて結ばれるさまは、いつの時代も視聴者の心をキュンとさせてくれます。格差恋愛や格差婚を描いたドラマの代表格は武田鉄矢さんの「僕は死にません!」でおなじみ『101回目のプロポーズ』(1991年)でしょう。そのほかにも、『ママはアイドル!』(1987年)、『ムコ殿』『スタアの恋』(2001年)、『花より男子』『電車男』(2005年)、『59番目のプロポーズ』『たったひとつの恋』(2006年)、『リッチマン、プアウーマン』(2012年)、最近では『この恋はツミなのか!?』、そして2018年ヒットした『大恋愛~僕を忘れる君と』でも主人公が格差に悩む描写がありました。
「格差婚」と呼ばれた芸能人カップル
ドラマでは格差を乗り越えハッピーエンドを迎えるカップルがほとんどですが、実情が気になりますよね。結婚当時「格差婚」といわれていた芸能人カップルを調べてみたところ、どちらかの知名度・収入が圧倒的に高い場合がそのように表現されることが多く、主に女性の知名度が上の時に格差婚と言われる傾向が強いようです。
以下の例は敬称略になります。
山崎夕貴アナウンサー&おばたのお兄さん、田中美佐子&深沢邦之(Take2)、椿鬼奴&佐藤大(グランジ) 、藤本美貴&庄司智春(品川庄司)、高橋愛&あべこうじ、安めぐみ&東貴博(Take2)、三原じゅん子&コアラ(ex.アニマル梯団)、安達祐実&井戸田潤(スピードワゴン) 、藤原紀香&陣内智則。なお、藤原さんと陣内さんは格差恋愛を描いたドラマ『59番目のプロポーズ』で共演したことをきっかけに結ばれています。
上記の多くは現在おしどり夫婦と呼ばれるほど仲が良いですが、三原じゅん子さん&コアラさん、安達祐実さん&井戸田潤さん、藤原紀香さん&陣内智則さんは残念ながら離婚。しかし、国内の離婚率は1996年以降毎年20万件を越え(厚生労働省『平成30年人口動態統計の年間推計』より)、いまや離婚は珍しいものではなくなっている状況の中を考えると、これらの例は「格差婚が幸せになれない」という根拠としては弱いです。
「格差」とは何を意味する?
具体的に、「格差」とは何を意味するのでしょうか。下記で紹介しているもの以外にも、年齢も挙げられます。いわゆる「年の差婚」ですね。
学歴が同じカップルが多い! 「学歴」の違いも格差婚に
労働政策研究・研修機構が2017年に発表した『第4回 子育て世帯全国調査』によると、「同類婚」と呼ばれる、学歴の同じ夫婦が全体の4割強に及んでいるそう。なお、この調査では最終学歴を中学校/高校/短大・高専他/大学・大学院の4つに分類して比較しています。
この結果は、学生時代に出会ったカップルが結婚したパターンなどが理由とも考えられますが、後述するように最終学歴が近いと価値観が近いという見方もあります。
「年収」による格差婚は、お金よりも気持ちが問題に
年収が格差として顕在化するのは主に、女性の年収が男性より高い場合が多いようです。
家計を一緒にする場合、二人の合計収入がそれなりにあれば年収の差は気にしなくても良さそうですが、問題はお金ではなく気持ちの問題。年収の低いほうが卑屈になったり、逆に年収の高いほうが傲慢になるなど、「態度の差」によって夫婦の絆に亀裂が生じてしまうかもしれません。
内閣府の「平成28年度男女共同参画白書」によると、共働き世帯は増加傾向にあります。また、現代では女性の社会進出が少しずつ進んでいて、男性が稼がなくてはならないという考え方は古いものとなりつつあります。2004年には、専業主夫の奮闘するさまを描いた『アットホーム・ダッド』というドラマが放送され話題になりました。
共働きにしても、専業主婦/主夫の形を取るにしても、お互いを思い合ってコミュニケーションを取ることが大切。
例えば家事は平等に分担したり、家計簿を共有してお互いが家計について把握したり、「家を買う」「子育てのために貯金する」「老後の蓄えにする」などの夫婦共通の目標を設定したり、お小遣いの使い道にはあまり口を出さないといった方法も効果的。もちろん、「自分のほうが稼いでいるのに」は禁句です。
「家柄」による格差婚
格差婚といえば、やはり家柄の違いでしょう。家柄とは、先祖から受け継いでいる家の格式や社会的な地位・評価を意味します。「地元の名士」「名家の出」と呼ばれるような由緒ある家系もそうですし、政治家や医師、弁護士、歌舞伎役者など特定の分野を世襲しているような一家の方も家柄がいいと言われます。
かつて家柄はとても重視されていましたが、今ではそれほど関係ないように思えます。大切なのは、二人で幸せな家庭を作れるかどうかです。