スマホ依存は高校生の間でも深刻な問題に
内閣府が平成29年に行った「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、高校生のスマホ所持率は9割に上る。スマホ依存が疑われる生徒も多いようだ。
高校生のスマホ依存、成績低下につながる症状も
高校生の場合は、メールやSNSに夢中になるあまりにスマホ依存になることが多いという。「勉強していても、メッセージが来るとすぐに返したくなる」「スマホが気になって、勉強が手につかない」など、スマホに依存しすぎて勉強にも支障が出ている。また、学年が上がるほど授業中の居眠りや遅刻が多くなり、睡眠にも悪影響を及ぼしているようだ。
高校生がスマホ依存になる原因は?
高校生がスマホ依存に陥る原因も、やはり精神的な要因が大きいようだ。家庭環境に問題がある場合や、勉強や学校での人間関係でのストレスなどがあるとスマホに熱中してしまいやすい。
スマホ依存の疑いがある高校生の割合は10人に1~2人
厚生労働省研究班が平成29~30年に行った調査によると、スマホ依存が疑われる高校生の割合は、男子が13.2%、女子が18.9%。女子はLINEやTwitterといったSNSの使用率が男子より高い傾向があり、研究班は「メールなどSNSに没頭する女子が多い」としている。
スマホ依存は中学生でも深刻な問題に
スマホ依存が問題となっているのは、高校生だけではない。中学生でも約半数がスマホを所持しており、そのうち1割以上の生徒は病的なスマホ依存となっていることが疑われる。
中学生のスマホ依存、症状は成績低下に影響
厚生労働省の調査によると、高校生よりも中学生のほうが、スマホ依存によって成績が低下した生徒が多いという。東北大学加齢医学研究所の所長・川島隆太氏の研究では、勉強時間や睡眠時間の長さに関係なく、スマホの使用時間が長いほど成績が低くなるという結果が出ている。
中学生のスマホ依存率は女子のほうが高い
スマホ依存が疑われる中学生は、男子10.6%、女子14,3%と高校生と同じく女子のほうが割合が高い。また、女子中学生は特にSNS利用などによる友人とのトラブルが多いそうだ。
中学生のスマホ依存が進むと不登校にまで?
スマホ依存は不登校の原因にもなり得る。スマホでSNSやゲームなどに夜中まで熱中してしまい、睡眠リズムが崩れて学校生活にまで支障をきたし、ついには学校に行かなくなってしまう。
スマホ依存から子供を守るためには
スマホ依存になってしまうと、大人でもやめようと思ってもなかなかやめられないのだから、子どもならなおさらだ。スマホの使用方法は子どもまかせにするのではなく、「スマホは1日1時間まで」「寝る前2時間はスマホを見ない」などルールを決めるなど、保護者も一緒に考える必要があるだろう。
現代技術の集積たるスマホが私たちにもたらしたのは、どうやら利便性だけではないようだ。とはいえ、もはやスマホは現代の生活とは切っても切り離せないものとなっている。便利に使いつつ、スマホに飲み込まれてしまわないように、上手な付き合い方を見つけていきたいものだ。
文/ねこリセット