利回りの高さだけでなく純利益の安定性も重要
高配当株投資において、やみくもに高い利回りを求めることは禁物です。業績が不安定で、配当金が大きく減ったり、出なくなったりしては困ります。長期間、安定して配当金を出してくれる企業を重視すべきです。ポイントは「純利益」で、配当金の原資です。毎期の純利益が安定している企業を選ぶようにします。
また、ひとつの高配当株に集中するよりも、様々な業種に属する複数の銘柄に分散投資することが大事。ひとつの会社の配当金が減っても、ほかの会社の配当金が安定していれば、全体が大きく目減りすることが防げます。
これから高配当株投資を始めようとする人にとっては、相場の下落局面はチャンスです。私の転機になった投資は、リーマン・ショック後に買ったアークランドサービスホールディングスで、割安な株価で買えました。同社の展開する『かつや』の拡大につれて、含み益も1000万円を超えていきました。購入時の株価では、今は高配当株になっており、毎年配当金でも貢献してくれています。
高配当株の分散投資でおすすめの業種はコレ!
・学習塾
・葬儀会社
・継続課金ビジネス
・小売業(特に飲食業)
・依存症ビジネス(パチンコ、競馬、酒、タバコ関連)
【2019年をこう読む!】
日経平均株価採用銘柄の利益水準を表わす日経平均EPSという指標を見ると、2018年で11月末が最も高くなっている。日本企業の業績は悪くなく、今年前半はそれを見直した買いが入ると予想。事業基盤が国内にあり、売上や利益の多くを国内で稼ぐ「内需株」が有望と見る。
識者に聞いた!高配当株発掘法
(1)純利益が安定している
過去の純利益が増益基調であり、当期以降も増益見通しとなっているかどうか。増益率は低くても、継続して増加していることが重要。
(2)配当利回りの目安は3%以上
現在の株式市場は5%以上の銘柄もゴロゴロしているが、安定性が欠けるケースが少なくない。まずは3%以上を目安にする。
(3)利益剰余金が出ているか
利益剰余金とは純利益を積み立てたお金のことで会社内部に蓄積される。高配当株なら多いほうがよい。5年分の純利益が積み上がっていれば安心感は高い。
識者に聞いた!ココで情報収集
純利益をはじめとする企業の業績動向が、冊子の『会社四季報』よりも早くわかる。また、スクリーニング機能があり、「配当利回り3%以上」「純利益増益」といった条件で検索すれば、条件に該当する銘柄をピックアップできる。
会社四季報オンライン
一部機能は無料で利用可。スクリーニングの利用は有料会員(月額1080円)になることが必要。
http://shikiho.jp/
本特集に記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行なって下さいますよう、お願い致します。また、掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失を被っても損害等の保証は一切行なっておりませんので、予めご了承下さい。
取材・文/松岡賢治