DIME MAGAZINE
「21世紀はインドの時代になる」と言われて久しい。7％近い経済成長率を維持するインド。国際協力銀行による調査では、中期的有望事業展開国ランキングで中国を押さえ1位となった。日本企業のビジネスパーソンの出張ニーズはますます高まると思われる。そこで、インド出張体験者の30代OL、RIOさんにインド出張必需品を聞いた！
インドの慣習、ホテル事情について
まず、インドはヒンドゥー教徒79.8％、イスラム教徒14.2％が占めるという特性もあり、肌を露出する習慣がない。つまり、服装には細心の注意を払うべきなのだ。
また、左手は不浄の手とされており、握手などは必ず右手でしなければならない。
衛生面では、インドの都市部では人口が増えたことで、一日に約400億リットルの汚水が排出され、社会問題となっている。下水処理が遅れ、汚水が未処理のまま水源に流されていることもあり、水にも気を付けなければならない。
公用語は英語とヒンドゥー語で、出身地域によってはなまりが強いものの英語が通じる。ネット環境は日本ほど充実していないが、中上級以上のホテルではWi-Fi環境が整っている。格安ホテルもあるが、治安を考えると中上級ホテルに泊まる方がやはり無難だろう。インドで圧倒的に多い犯罪はスリを中心とした窃盗であり、ホテルといえども安心できないからだ。貴重品は席を立つとき必ず持ち歩く、カバンのファスナーはきちんと締めるなど、物の持ち運びにも注意が必要だ。
さて、RIOさんにインド出張必需品について聞いてみよう！
RIOさんの出張先は多国籍企業も多く進出しているムンバイだ。
・ビザ
まず短期の出張でも必要不可欠なのが、ビザだ。インターネットでも手続きできるが、不備が原因で入国できないケースもあるそうだ。料金が多少かかっても手続きに慣れている旅行代理店に依頼することをRIOさんは薦めるという。
1週間の出張だったが、RIOさんは3年間有効なビジネスビザを申請した。ビザの申請に必要なのは、パスポート、記入項目がムチャクチャ多い申請フォーム、珍しい規格の写真、自分の会社の推薦状と出張先のインド国内企業からの招聘状だ。出張先からの招聘状は、担当者のサインがあり、「この人が自社とのビジネスのためにこの期間来ます」と通り一遍のことが書いてあれば良い。
RIOさんは1週間程度でビザを取得した。
・長袖ジャケットと長袖シャツ
インドと言えば暑い印象が強いが、ホテルや企業などは冷房が寒いくらい効いている。日本だと夏場はクールビズで半袖シャツ1枚の人も多いが、それではシンドイそうだ。
RIOさんはベージュのストッキングや体にフィットしたパンツは宗教上差し支えるのではないかと考え、ジャケットに膝丈スカートに黒タイツにしたが、温度的にちょうど良かったという。なお、街の人を見た限り、ベージュのストッキングでも別に差し支えないようだということだ。
・胃薬と整腸薬
インドといえばスパイスの効いた料理が多い。ホテルのビュッフェなどでも一見普通の料理に見えてもスパイスが効いているそう。RIOさんは1日1回、夜寝る前に胃薬を飲んでいた。
また、インドは衛生環境が悪い。RIOさんは飲まなかったそうだが、整腸薬もお薦めしたい。
・ペットボトルの水
同じく衛生環境が悪いという理由で、水道水を飲むのはNG。飲むだけでなく、歯磨きもペットボトルの水がお薦めだ。
シャワーのときは口と目をギュッと閉じましょうというのがRIOさんのアドバイス。
・ウエットティッシュ
トイレを出て手を洗った後はウエットティッシュで一吹き。
また、食事の前に日本のようにおしぼりが出てくることもない。そんな時にもウエットティッシュが活躍する。
・日焼け止め
RIOさんは出張では室内にいることが多いので必需品ではないと思うそうだが（RIOさんは使っていた）、普段から日本でも使っている人は移動の時が気になるなら持って行った方が良いそうだ。
・日本食
前述したように食事が特殊なので、カップヌードルなどの日本食を持って行くのがRIOさんのお薦めだ。
・ペタンコ靴
インドの道路は舗装されてるが、修復されてないことが多いのでデコボコしているそうだ。ヒール靴は厳禁！！
・Wi-Fi
成田空港でWi-Fi端末をレンタル契約すれば、1日1000～1500円でデータ使い放題だそうだ。RIOさんは、これでインド滞在中「Netflix」などの視聴を楽しんだ。
番外編
・虫よけ
RIOさんは気にならなかったそうだが、雨期にインドに訪れるならもしかしたら必要かもしれないということだ。
■RIOさん
米国、中国、インドを重要拠点とする日系メーカー勤務の総合職。ブログ「RIOの日記」で、「【特に女性向け】インド出張で気をつけたい6つのこと」
https://www.rio-diary.com/entry/2016/12/05/173913
を執筆している。
取材・文／稲垣有紀
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