ハラスメント保険を利用するときのポイント
ハラスメント保険に加入する場合は、次のことを知っておくと良いと髙野さんはアドバイスする。
●一時自己負担の必要があることも
「先に紹介した2つの保険は、弁護士費用に対しての損害を補償するものです。しかし自身がハラスメント被害に遭ってしまった際、例えばうつ病になり、会社を休まなければならなくなったといったケースであれば、解決までに時間がかかるため、その費用を一時、自身で負担していく必要があることを念頭においてください」
●公的機関に相談する方法も
「ハラスメント被害に遭ったときには、費用やその他全般について相談できる公的機関を利用するのも一つの方法です」
・東京都労働相談情報センター
東京都ろうどう110番
0570-00-6110
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/soudan-c/center/consult/guide.html
・弁護士会「弁護士相談センター」
http://www.horitsu-sodan.jp/
●社内に相談できる人を持つ
「仮に裁判を起こしたとしても必ず勝訴できる保証もありません。保険だけに頼るのではなく、普段から自身が周囲とのコミュニケーションを図り、ハラスメント事態が起きたとしても相談できる人を見つけておくなどの自己防衛策を取っておくことも必要かと思います」
いつ自分がハラスメント被害に遭うかはわからない。そのような中、ハラスメント保険について知っておくことは、一つの備えになるのではないだろうか。
【取材協力】
ファイナンシャルプランナー 髙野 具子さん
40社扱う保険相談ショップの元店長。保険だけに留まらず、より広い視野で顧客へ金融アドバイスをするため保険ショップを退職。「出会ったすべての人を豊かにすること」をテーマに将来の資金作りのプランナーとして現在活動中。
確定拠出年金相談ねっと認定FP https://fpsdn.net/fp/ttakano/
取材・文/石原亜香利