狭山茶は忙しい人にとって救世主になる!?
「でも…狭山茶はね。ジャー!ザー!!って淹れたとしてもちゃんとおいしいんですよ。濃くておいしいからそういうところがまさに“味は狭山でとどめさす”だと思います。
もちろん色々な産地のお茶も飲むんだけど…。
この辺に住む人達も良く言ってるけど、狭山茶じゃないとお茶を飲んでいる気分にならないなんて言う人も多いですよ(笑)」
なるほど…確かに。
思い返せば私がいつも愛飲している狭山のお茶も濃くてまったり系。
それもそのはず。
狭山茶は「深蒸し」と呼ばれる製法で作られるお茶がほとんどのため、淹れた時、湯のみの底が見えない濃ゆ~いお茶になることが多いわけです。
ちなみに「深蒸し茶」とは普通の煎茶よりも約2倍長い時間蒸してつくったお茶で、少し葉っぱが細かめなのが特徴です。
「深緑!味もしっかり!濃いお茶LOVE」な人にとってはぴったりですよね。
もちろん、狭山に限らず、静岡など他の産地でも「深蒸し茶」は多く作られています。
ザザッと淹れても、がっつりとした濃ゆいお茶になってくれるので、私は朝、出掛ける前など、エナジードリンク代わりにセレクトすることが多いです。
200周年のアニバーサリーイヤー!!
今でこそ有名な茶産地と知られている入間市ですが、この地では数百年に渡ってお茶の生産がされていない時期もあったそう。
急須で淹れるお茶(蒸し製煎茶)が江戸で人気になっていた頃…
狭山丘陵のふもとに住んでいた吉川温恭氏をはじめとした地元の人達が
「私たちも蒸し製のお茶をつくって、狭山のお茶作りを復興させようじゃないか」と奮闘したのだとか。
現在の山本山のご先祖様である江戸の茶商・山本嘉兵衛氏に指導や助言を受けながら、お茶をつくり、晴れて山本山とお茶の売買契約書を交わしたのが1819年。
今でもその契約書がしっかりと残っています。
それから今年でちょうど200年。
「この地でお茶をつくりたい!」という熱い想いが、形となり、200年の時を経て、今でも愛されるお茶になっていると考えると、なんだか感慨深いですね。
まさにアニバーサリーイヤーを迎えている狭山茶。
今年はもしかしたら色々な所で目にすることも増えるかもしれません。
私もこれから狭山茶を飲む時には、狭山丘陵に想いを馳せながら、飲みたいと思います(笑)
【今日の一杯】知覧茶のドリップティー
急須がない時に飲めるお茶と言えば、「ティーバッグ」ですが、最近では「ドリップティー」という選択肢も。お茶の葉が完璧に開かないのでは…というご意見もあるのですが、スタイルとしては最高にクールだし、色々な種類が出ているので、私は見かけたら必ず買う&試しに飲むを続けています。
お茶フェスで頂いた知覧茶のドリップティー、パッケージもシンプルだし、デスクにいくつも常備しておきたい!
文/茂木雅世(もき まさよ)
ティーエッセイスト/煎茶道 東阿部流師範/日本茶アーティスト
お茶好きがで高じて、2009年、仕事を辞めてお茶の世界へ。2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまい始め、現在はお茶にまつわるモノ・コトの企画・商品プロデュース・コラム執筆やメディア出演などの活動を行っている。FMyokohama「NIPPON CHA茶CHA」では最新のお茶情報を毎週発信中。
オフィシャルサイト:https://ocharock.amebaownd.com/
Twitter:https://twitter.com/ocharock