飽きさせないような仕掛けが満載
この後、もう何軒か空き巣を働いたが、基本的な流れは上で述べたように、「こっそり敷地に入る」→「ドアをピッキングしたりして侵入」→「金目の物を探して盗む」→「近所の目を避け退散」となる。合間に盗品を売り払ったり、パトカーから隠れたりといったイベントもあって、なかなか飽きさせない。また、経験を積めば、ピッキングのスキルなどが向上するRPG的な要素も入っていて、「泥棒という職業はやりがいがあるのでは?」という、イケない感情をもってしまいそうになる。
一方で、盗品が安値でしか売却できないとか、高価な七つ道具を買えるまで貯金するといった、泥棒稼業のしがない側面も垣間見える。まぁ、結論から言えば、普通にまっとうな職業に就いたほうが、ずっとコスパがいいし、リスクもない。あと、寝る時間だからと灯りを全部消すとか、バールを持ってうろつく人を見過ごすのはまずいといった、防犯に役立つ知識も若干得られる。あくまでも「若干」だが。
「Thief Simulator」の開発元は、ポーランドのNoble Muffins社。日本ではまだ無名に近いが、解体業者になって建物を解体する「Demolish & Build 2018」、自動車の整備工になって自動車を整備・改造する「Car Mechanic Simulator 2018」など、ディープなシミュレーターモノが得意なところだ。同社の新作となる「Thief Simulator」は2050円。時々割引セールを行って1500円くらいになるが、この価格帯だと妥当感がある。ウィッシュリストに加えて、次回セールの際にチェックしておこう。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)