外貨預金のメリットは?
外貨預金にはメリットとデメリットがある
日本の貯蓄金利は定期預金で年0.01%が基準といった低金利だ。しかし、米国の場合、10年国債で約2.75%の年間利回り(投資額に対するリターンの割合)など、高金利が期待できる。さらに、主要国外では年10%を超える利回りが期待される通貨もある。
さらに、為替による差益の享受も可能だ。例えば1ドル110円で1万ドル(110万円相当)を貯蓄した後、為替レーが変動して1ドル120円に円安ドル高が進んだ場合、差益で10万円の利益を生むこともある(手数料・税金は別途かかる)。
こういったメリットに対して、外貨預金にはデメリットも存在する。例えば為替変動による差損のリスクや金利の変動、外貨の購入&売却に手数料がかかること、また、NISA(少額投資非課税制度)などの対象外商品であることなどが挙げられる。
さらに、デフォルト(債務不履行)が怖い。これは債券の発行者が破綻などを原因に元本や利払いの支払いを遅らせたり、停止したりすることで、貯蓄先の通貨を扱う国がデフォルトに陥ると、最悪、利息はもちろん、通貨価値がゼロになるリスクもある。預金とはいうが元本は保証されていないのだ。
外貨預金にメリットがないって説は本当?
上記のようなデメリットから、外貨預金はリスクが高い投資という見方がある。さらに、Foreign Exchangeの略で、一般的には外国為替証拠金取引を意味する「FX」との比較で「メリットがない」と見なされることがある。
FXは証拠金として一定額を証券会社などに預け、それを元に個人では最大25倍まで海外通貨取引が可能になるもの。ハイリスクハイリターンな為替取引であるが、レバレッジ(倍率)をかけず外貨を購入することもできる。その場合、銀行などの外貨預金に比べて手数料が低くなるケースがあり、これをもって「FXがお得」といわれることもある。
しかし、社会的信頼度が低い運営会社のFXもあり、近年発生した仮想通貨ではないが、預入したお金が引き出せないというケースも想定できる。
自己資金がどこまでリスクを取れるのか? しっかり把握して貯蓄先を選別する必要がある。
外貨定期預金を初心者が始めるなら
初めて外貨定期預金をするなら海外旅行などで知っている国から始める方がよいだろう。なぜなら経済・政治情報や通貨情報などが入手しやすく、不安を軽減してくれる可能性が高いからだ。
また、少額の預入から始めて、為替レートや金利の動きを実感してから、徐々に貯蓄額を増やすとリスクヘッジにつながりやすい。
さらに、定期的に分散貯蓄をすれば、為替レートを平準化することにもつながるし、破綻などを考慮して最初は信頼できる銀行を利用するというのも手だ。
外貨預金は相場により金利や価値が変動するもの。リスクを踏まえた貯蓄が必須だ。
米ドル定期預金特別金利キャンペーンとは?
外貨預金のうち定期預金は特別金利を設定することが多い。特に米ドルを活用した定期預金特別金利キャンペーンは各行が預金獲得のためしのぎを削っている。
例えば、みずほ銀行は3か月もの、1年ものの外貨定期預金で、米ドルでそれぞれ、2.5%と1.5%(共に税引き前。以下同)、豪ドルで4%と2.5%の特別金利キャンペーンを実施している(2019年1月末現在)。
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/campaign/gaikateikiplan/index.html
また、三菱UFJ銀行では2019年3月29日23:59までの間、円から10万円相当額以上を米ドルに預け入れた場合、1か月もので年率7%、1年もので年率2.5%のキャンペーンを実施している。
取材・文/ステム
※本記事は投資を推奨する目的はありません。
※データは2019年1月末時点での編集部調べ。税率など実際とは異なる場合があります。
※税率、課税関係は税法やその解釈が変更される可能性があります。詳細は国税庁ホームページ、税理士または最寄りの税務署で確認ください。
※税金、確定申告の情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するのものではありません。