外貨預金にはFXという手法もあり
外貨預金とFXって違いがあるの?
インターネット取引が進み、証券取引が普通の人に利用しやすくなる中、外貨預金も進化。投資タイミングにより重きを置く「FX」が人気だ。
FXとはForeign Exchangeの略で、一般的には外国為替証拠金取引を意味する。「証拠金」というのがポイントで、w例えば1万円を証券会社に預けると、それを証拠金として個人なら最大25倍までの外貨に投資できるという仕組みだ。
証拠金を元にしてより大きな額の取引ができることから、「てこの原理」になぞらえて「レバレッジ効果」が期待されるもの。
外貨預金が貯蓄額と購入通貨が同額(手数料・税金は除く)なのに対して、25倍まで投資できるのは、魅力に映るだろう。
また、FXは「売り」もできる。ちょっとややこしいが、海外通貨を売って日本円を購入したことにできるのだ。この手法では外貨預金とは逆に「円高」になると差益を得られることになる。
外貨預金とFXはどっちが有利?
最大25倍まで投資できて、「売り」もできるFX。外貨を購入すると金利もスワップ=日歩(一日ごとの金利・売りの場合は逆に支払うことになる)が入ると一見いいことずくめに見えるが、FXには恐ろしい面もあることを忘れてはならない。
それは、てこの原理で損も拡大するからだ。
もし仮に25倍のレバレッジで米ドルを購入したとしよう。仮に1ドル=100円とすると、10万ドル分(1000万円)が40万円の証拠金で購入できてしまう。しかし、1ドルが96円になったとしよう。すると10万ドルが960万円に目減りする。つまり40万円損したことになるわけだ。
これで証拠金は全額なくなってしまうことになる。4%の通貨変動が25倍に跳ね返るのだから、リスクが非常に高い取引となる。
実際は証拠金がゼロになる前に「ロスカット」と呼ばれる強制決済機能が働くのだが、ロスカットが間に合わない場合もあり、40万円預けた結果、1000万円損することも、理屈では起こりうるのだ。
もちろんレバレッジをかけずに外貨預金的に運用することも可能だ。その形態でFXを利用すると、手数料などで外貨預金よりも有利になるケースもあるし、適度なレバレッジをかけて外貨預金よりも差益を得ることもある。一概にFXと外貨預金のどちらが有利とは言いがたい。
外貨預金で気になる税金はどうなってる?
高金利が魅力の外貨預金。一方で、支払うべき税金について簡単にご紹介する。
外貨預金の税金の計算方法
外貨預金の税金は「利息」と「為替差益/差損」にわけて考えるとわかりやすいだろう。
まずは利息部分。国内金融機関に預けた場合の利息は「利子所得」となり源泉徴収される。
税率は2019年1月現在、所得税15.315%(復興特別所得税込)と住民税5%の合計20.315%となる。また、確定申告はできない。
海外金融機関に預けた場合は利子所得であるが「総合課税」となり、確定申告が必要となる。
所得税が5〜45%と復興特別所得税が課され、加えて住民税が5%かかる。
一方、為替レートによる差損と差益については、
予約レート有の場合は所得税15.315%(復興特別所得税込)と住民税5%の合計20.315%で確定申告はできない。
予約レート無の場合は総合課税となり、所得税が5〜45%と復興特別所得税が課され、加えて住民税が5%かかる。また、確定申告が基本的に必要になる。
為替差損は予約レートの有無にかかわらず、他の雑所得と相殺できる。為替差損だけの確定申告は不要だが、他の雑所得と合わせて黒字の場合は確定申告が必要だ。
外貨預金に税金対策はある?
為替差損が出た場合に他の雑所得と相殺できる。
2014年1月に始まった「NISA」や2016年に始まった「ジュニアNISA」、2018年1月に始まった「つみたてNISA」といった税制優遇制度は対象外。
外貨預金で税金を払わず、ばれるとどうなる?
金融機関によって源泉徴収される場合は別だが、申告漏れなどで税金を支払わないでいると、脱税行為になる。本税とは別に延滞税や加算税の支払いを命じられたり、多額な場合は刑事罰の対象になることもある。