インフルエンザワクチンは打っておく
先日、厚労相がインフルエンザにかかり閣議を欠席したのがニュースになったが、予防接種は11月に受けていたという。
こうした話題がのぼるたびに、インフルエンザワクチンの是非が問われるが、裴氏は「できる限り、ワクチンを打つことをおすすめします」と述べている。
ワクチンを打つことで「インフルエンザの発症は59%減少する」という明確な効果があること、予防接種の料金は3000~5000円と、かかってしまって寝込むことによる経済的損失よりずっと低いことなどを、理由として挙げている。
出張・旅行時の風邪予防のポイント
裴氏が出張で飛行機や新幹線に乗るときは、「人が少ないエリアの最後列」を選ぶという。
これには、乗り物の中での感染リスクは、後ろの席に行くほど低くなり、一番後ろの席が「ウイルスが飛んでくる確率がもっとも低い」という理由がある。ここに座れば、自分より後ろにいる人たちの咳・くしゃみによる飛沫感染を、かなり防げるからだ。
出張・旅行の際は、裴氏を見習ってできるだけ後ろの席をおさえるようにしたい。
飛行機と同様、ホテルの客室内も、湿度が低くてウイルスが空気中を漂いやすい密閉空間なため、風邪のハイリスクスポット。ここは、どう対処すべきだろうか?
これについては、裴氏は、室内の加湿をすすめる。部屋に加湿器があればそれを使い、なければ、フロントで貸し出しをしているか確認。それも無理なら、電気ポットで湯を沸かし湯気を漂わせる、バスタブに湯を張っておく、濡らしたタオルを日のあたるところに置くなどして、湿度を上げる。こうした方法で、浮遊ウイルスが減って、風邪のリスクは抑制されると解説する。
いろいろやっても、例えば風邪をひいた幼子を病院に連れていった時にうつされるなど、100%の風邪予防は難しい。もしも、かぜを「ひいてしまった…」場合の対処法についても、裴氏は本書の後半を割いて記している。そちらも参考にして、冬を乗り切ろう。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)