約4万人の顔型データを収集。試作品は500種類以上
こうしたマスク形状に至るまでには約4万人もの顔データを収集。
「大きさ、顔型、男女差などの顔データを踏まえたうえで500種類以上に及ぶ試作品を手作りしました。その中から形を絞って人形で試した後、実際に様々な顔型の社員やモニターで試着テストを実施。それをもとに細かな調整を加えることで、日本人の約9割をカバーできる完成度に至ったのです」
このほか、鼻部のフィット性を高める〝ノーズフィット〟には特殊な形状記憶樹脂を、ウイルス飛沫の99%カットと肌触りの良さを両立させるために独自の3層構造フィルターを採用するなど、そのこだわりは徹底している。現在までマイナーチェンジもないというのは、開発へのこだわりと完成度の高さの証左といえる。
「2009年のパンデミック直後の最もマスクが売れなかった時期に開発したのが『超快適マスク』。売れない時代にあえて新しい挑戦をし、愚直にコツコツと開発を進めたことで、製品の完成度を高めることにつながったのだと思います」
また同社はおむつや生理用品開発で培った不織布加工技術や設備、知見を商品化に生かしている。消費者ニーズに細かく寄り添う14種類(『超快適』シリーズ)もの豊富な商品展開などで得た、ブランド力や認知度の高さも根強いヒットの秘密だ。
発売以来約10年を迎える『超快適マスク』。ロングヒットの裏には、緻密な開発工程と開発陣の地道な努力があった。
耳かけ部分には、赤ちゃん用紙おむつに使われる独自開発の伸縮素材〝ソフトレッチ〟を採用。均一な伸びで耳への負担が少ない赤ちゃんの肌に直接触れる素材なので、安心・安全に使える。
『超快適マスク』(右)のフィルターは優れた遮断力と息がしやすい通気性を両立。従来型(左)と比較した送風テストでは、右は薄紙が大きく舞い上がったが、左はほぼ動かず。通気性の違いがわかる。
ヒットの理由
1.地道なデータ収集と試着テストに基づく商品開発
2.自社他部門で培った技術や知見、生産設備を積極活用
3.ラインアップを拡充し多様化するニーズに応えた
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構成/編集部