2つ目のアップデートはスマートスピーカーや、スマートディスプレイで利用できる「Interpreter Mode(通訳モード)」という機能。「Hey Google, be my Itarian interpreter.」と話しかけると、今使っている設定言語と指定した言語(この例ではイタリア語)間の双方向通訳が可能になるというもので、27カ国語に対応する。一度このモードにすれば、あとはスピーカーやディスプレイの前で話すだけで、両方の言語認識してを逐次通訳してくれるのが画期的。異なる言語間の自動翻訳は、最近増えつつある翻訳デバイスやスマホのアプリ等でも利用できるが、その多くはボタンなどを押して翻訳する言語を切り替える必要がある。Googleがあえて、“翻訳”ではなく“通訳”という言葉を使っているのも伊達ではなく、デモを見る限りはかなりスムーズな会話が可能。筆者自身もGoogleのブースで実際に英語と日本語のデモを体験したが、多少のタイムラグやうまく聞き取ってくれないケースはあったものの、どちらが話しても自動的に言語を判断して通訳してくれるので、いちいちスイッチする手間がなく、他の翻訳ツールと比べてもより自然な会話ができると感じた。
日本語の表現によってはうまく英訳されないこともあったが、自然な話し言葉で会話しても、しっかりキャッチしてくれるという印象を受けた。
通訳モードはすでに米国のいくつかのホテルでテスト運用が開始されていて、今後はまず英語圏の『Google Home Hub』や『Google Home』で利用できるようになるという。なお、デモでは日本未発売のスマートディスプレイ『Google Home Hub』が使用されていた。通訳モード自体はスマートスピーカーでも利用できるが、やはり文字が表示された方が正しく認識されたかどうか確認できるし、理解も早い。日本ではまず、この『Google Home Hub』がいつ発売されるのかが気になるところだ。通訳モードは2020年に向けて、外国人が増加する日本の店頭などで役立つこと間違いなしの機能だけに、Googleには一刻も早いスマートディスプレイの国内発売と、通訳モードの展開を期待したいところだ。
取材・文/太田百合子