本格的な冬が到来し、お風呂が恋しい季節となった。今の世の中、単身者向けの賃貸でもそのほとんどが浴室・ユニットバス付きであるため、自宅で湯船に浸かるという人がほとんどだろう。銭湯に行く機会というのは、昔と比べて減ったのかも知れない。
しかしそれでもなお、若い世代、それも女性に銭湯が支持されているという事実が、今回、F1層のマーケティングに特化したミュゼマーケティングの調査によって明らかになった。
実は9割以上の女性が銭湯に「行ったことがある」と回答
高齢者や男性が多いというイメージが強く、若い女性が通うイメージがあまりない銭湯。1都3県在住の20~30代女性を対象に「銭湯に行くことがあるか」という調査が行われたところ、なんと94.8%とほとんどの女性が「行ったことがある」と回答した。
さらに「月1回以上」と回答した人は4人に1人で、意外にも“銭湯女子”が多く存在していることが明らかに。
銭湯に対するポジティブなイメージ、「お風呂が広い」が約半数
次に、「銭湯」に対するポジティブなイメージは何か調査が行われたところ、全体の約半数が「お風呂が広い」という良いイメージを持っており、「良いイメージはない」と回答した人はわずか1.8%と非常に少ないことがわかった。
銭湯に“行きたくない”理由、1位「わざわざ外でお風呂に入るのが面倒」「情報が少なくクローズな空間」
ほとんどの女性が「行ったことがある」と回答した銭湯だが、一方「行ったことがない」人は銭湯にどのようなイメージをもっているのだろうか。
銭湯に「行ったことがない」と回答した人を対象に、なぜ銭湯に行ったことがないのかを尋ねる調査では、「わざわざ外でお風呂に入るのが面倒」「情報が少なくクローズな空間」と回答した人が最も多いという結果となった。
また、「温泉」には行くけれども「銭湯」には行かないと回答した人を対象に「なぜ銭湯に行きたいとは思わないのか」という質問が行われたところ、半数以上が「温泉=旅行だから」と回答し、ついで多かったのが「温泉のようにお湯の種類が豊富ではないから(18.8%)」その次は「アメニティが少ない(手ぶらで行けない)(12.5%)」だった。
昔とは異なり家にお風呂があることが当たり前になった今、外でお風呂に入るシーンといえば旅行時の温泉というイメージが強く、銭湯がいつどのようなシーンで利用するものなのかイメージがつかない女性が多くいるようだ。
銭湯に行くきっかけ、約半数が「お風呂がきれい」と回答
銭湯に行ったことがないと回答した方を対象に、「どんなきっかけがあれば、銭湯に行きたいと思うか」という質問が行われたところ、約半数が「お風呂がきれい(45.2%)」と回答。ついで「家から近い(29.0%)」「イベントがある(12.9%)」という結果となり、清潔さのほか利便性やエンターテイメント性も、行きたいと思うきっかけのひとつであることがわかった。
女性が欲しいアメニティランキング 1位は「おしゃれなシャンプー・リンス」
温泉には行くけれども銭湯には行かない理由、3位にもランクインしたアメニティに関して、どのようなアメニティがあれば良いと思うかという質問が行われたところ、1位は「おしゃれなシャンプー・リンス(32.7%)」2位は「化粧品サンプル(17.5%)」3位は「ドライヤー(12.8%)」という結果となった。
女性が銭湯に求めるものは「美容」と「癒やし」
銭湯に女性がもっと気軽に来てもらえるようになるため、どのような女性向けサービスがあれば行きたいと思うかという質問が行われたところ、約半数以上の女性が「美容サービス」と回答。女性はお風呂に美容の付加価値を求めていることがわかる。
また、アメニティの充実以外に、銭湯にあれば行きやすくなるサービスは何かという質問が行われたところ、こちらも「なにか美容にいいもの」と回答した人が31.5%と最も多いという結果に。
「休憩所」「おしゃれな飲み物・スイーツ」「マッサージ」という回答も多く見られ、女性は銭湯に「美容」と「癒やし」を求めていることがわかった。
行ってみたいと思う女性向けイベント、1位「アロマテラピー銭湯」2位「暗闇銭湯で天体観測」3位「銭湯で映画鑑賞」
銭湯に行ったことがない人が行きたくなるきっかけ、3位にランクインした「イベント」について、どのようなイベントがあれば行ってみたいと思うのか調査が行われた。その結果、圧倒的な指示を受けたのは「アロマテラピー風呂」で、全体の約4割を占めていた。続いて「暗闇銭湯で天体観測」、「銭湯で映画鑑賞」という結果に。
女性は銭湯に「癒やし」を求めていることが裏付けられるほか、天体観測や映画鑑賞が上位にあがったことから“お風呂ではゆっくりしたい”という心理もうかがえる結果となった。
行きたい時間は朝6~8時が3割と“朝銭湯派女子”も多く存在
銭湯に行きたい(行ってみたい)時間について調査が行われたところ、ほとんどの女性が「19:00~21:00(28.7%)」「21:00~(19.0%)」と回答したが、24.2%の女性は「6:00~8:00」と回答。夜に入ることが多いお風呂だが、意外にも朝にも多くの需要があることがわかり、“朝銭湯派女性”が約3割存在していることが明らかに。
意外にも“朝”の需要が高い銭湯。朝手ぶらで行ってそのまま次の予定に行きたいという気持ちから、「おしゃれなシャンプー・リンス」や「化粧品サンプル」などのアメニティの重要性が高いのかもしれない。
※ミュゼマーケティング調べ
<調査概要:銭湯編>
■調査日:2018年11月7日(水) ~ 2018年11月18日(日)
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:600名
■調査対象:1都3県在住 20~39歳の女性
出典元:株式会社ミュゼプラチナム
構成/こじへい