不審者と間違われたときにやってはいけないこと
特に悪いことはしていないのに職務質問された場合、どうすればいいのだろうか。不審者と間違われたときにやってはいけないことを森氏に聞いてみた。
「まず身分を明かさない、職務質問に抵抗するといったことはしないほうが無難です。もちろん先を急いでいるなど、そもそも対応している時間がない場合もあると思います。だからといって食ってかかったり、所持品検査に応じなかったりすると逆に『怪しい』と思われてしまいます。何もやましいことがなければ言われるがまま素直に応じたほうが結果として早く解放されると思います。
また、職務質問を受けている最中に不自然におどおどしたりしないことです。態度に変化が出ると『何か隠してるのではないか』と逆に追及されることになります。平常心で冷静に対応することが大事ですね。いずれにしても警察官としては悪い人間を捕まえるための正当な職務活動ですから、声をかけられたら協力してあげてください」
普段、職務質問をよくされるという人は、怪しさを醸し出していないか客観的に自分を見てみるのもよさそうだ。
【取材協力】
森 透匡(もり ゆきまさ)氏
刑事塾 塾長
経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)
株式会社クリアウッド 代表取締役
警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立し、刑事時代に現場で培ったコミュニケーションスキルをビジネスで役立ててもらうために「刑事塾」という学びの場を開講。「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・セミナー・企業研修を行い、これまで5万人以上が聴講、「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博している。テレビ朝日「モーニングバード」、フジテレビ「ノンストップ」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に「元刑事が教えるウソと心理の見抜き方(明日香出版社)」がある。
http://clearwoods.co.jp/
取材・文/石原亜香利