普段、道を歩いているときなどに、すれ違った警察官から話しかけられた経験はないだろうか。職務質問は、特に何も悪いことはしていなくとも、されることがある。しかしされない人は、過去に一切されたことがないという声も聞く。職務質問されやすい人と、されにくい人にはどんな違いがあるのか。元刑事で現人事コンサルタントの森透匡氏に聞いた。
職務質問を指導するエキスパートがいる
まず知っておきたいのは、職務質問をするのは単なる警察官だけではなく、その道のエキスパートの場合もあるということだ。
「警察には『職務質問技能指導員』という職務質問のプロがおり、彼らは全国の警察官に職務質問の方法を指導しています。よくテレビの警察ドキュメンタリー番組にも出てきますが、パトカーに乗りながら不審者を瞬時に見分け、職務質問して検挙する職務質問のエキスパートです。よって職務質問をしてくるのは、職務質問のプロである職務質問技能指導員である可能性もあるということです」
よく職務質問される人とされない人との違いとは?
@DIME編集部の中で、過去に職務質問をされた経験を聞き出してみると、学生時代からよく職務質問される人と、職務質問されたことがない人に分かれた。職務質問されやすい人というのは、どんな特徴があるのか。
「一言で言うと警察官の目が見て『怪しい』のか『怪しくないのか』に尽きます。つまりよく職務質問される方は、単純に怪しいのです(笑)。ちなみにどんな点で怪しいかどうかを判断するかというと、まず現地の犯罪の発生状況、犯罪者の一般的な特徴が頭にあり、さらに時間、場所などの状況、そして視野に入った人の服装、持ち物、パトカーとすれ違ったときの視線、態度、しぐさなどから総合的に判断して『怪しい』と直感が働くと、職務質問をすることになります。
例えば薬物中毒者はやせ型、色白、目が鋭く、夏でも長袖を着ているなどの特徴がありますし、パトカーにすれ違ったときの一瞬の表情、『ヤバい』という顏をしたとか、反転して路地に入ったなどの行動が『怪しい』ということになると思います。ですからよく職務質問される人は警察官の視点から見て『怪しい』と判断できる材料や雰囲気を醸し出しているのということです」