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平成のうちに観ておくべき国内外の傑作ミステリー映画35選

2019.01.16PR

(5)その他怖いミステリー

「本当に恐ろしいのは、幽霊よりも生きている人間だ」ということを教えてくれるミステリー映画も紹介しておこう……。
“アメリカ文学界の狂犬”ジェームズ・エルロイの小説『暗黒のL.A.シリーズ』からは、『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)と『ブラック・ダリア』(2006年)が映画化されている。どちらも、1940~1950年代のロサンゼルスで起こった猟奇殺人事件を追うロス市警の刑事達が主役だ。とくに『ブラック・ダリア』は、本当にあった事件を題材にしているから余計に恐ろしい。しかし、主人公の刑事たちは血気盛んな漢(おとこ)揃いなので、どんな残虐な事件にも果敢に(暴力的に)立ち向かう。

L.A.コンフィデンシャル』(1997年)

1950年代ロサンゼルス。ダウンタウンのカフェで、6人の男女が殺害される事件が発生。ロサンゼルス市警が捜査に着手する。被害者のひとりはロサンゼルス市警の刑事だった。その元相棒だったバド・ホワイト(ラッセル・クロウ)は、被害者のひとりと一緒にいた謎の高級娼婦リン(キム・ベイシンガー)に接近する。バドは、同僚刑事のエド、ジャックと共に捜査を進める内に警察内部の腐敗に直面する。

ブラック・ダリア』(2006年)

1947年ロサンゼルス。切断された若い女性の死体が、ダウンタウンの空き地で発見された。正体はハリウッドスターを夢見て大都会ロサンゼルスにやってきた無名の女優で、黒髪とブラックドレスの見た目から“ブラック・ダリア”と呼ばれるようになる。
この猟奇殺人事件を捜査するのは、ロサンゼルス市警のバッキー・ブライカート(ジョシュ・ハートネット)とリー・ブランチャード(アーロン・エッカート)。その中でブライカートは、被害者そっくりの資産家令嬢マデリン(ヒラリー・スワンク)と出会い、心を乱される。

セブン』(1995年)

デビッド・フィンチャー監督の『セブン』は、キリスト教の“七つの大罪”がテーマのクライム・ミステリー。連続猟奇殺人事件を追う刑事を、ブラット・ピットが演じている。
正義感の強い熱血刑事デビッド・ミルズ(ブラット・ピット)とベテラン刑事のウィリアム・サマセット(モーガン・フリーマン)は、ある日肥満体の男性が殺害される事件に遭遇。現場には、七つの大罪のひとつ“GLUTTONY(暴食)”の文字が残されていた。

ゴーン・ガール』(2014年)

同じくフィンチャー監督の『ゴーン・ガール』は、どちらかと言うと“イヤミス”に近い。老婆心だが、絶対夫婦で一緒に鑑賞しない方がいいと思う……。
結婚記念日に突然姿を消した妻エイミー(ロザムンド・パイク)を捜索するニック(ベン・アフレック)は、失踪事件の報道が加熱する中で妻殺害の犯人として疑われるようになる。
才色兼備で教養溢れるエイミーは、著名な児童文学作家の娘であり、親の著書『アメージング・エイミー』のモデルにもなった“完璧な”女性だ。一方、夫のニックはリアリティショーを観るのが趣味であり、都会生まれのエイミーを説得して自分の生まれ育った田舎に移住させていた。

羊たちの沈黙』(1991年)

アメリカ人作家トマス・ハリスの小説『ハンニバル・レクター』シリーズが原作。ジョナサン・デミ監督。
FBIの捜査に協力するハンニバル・レクター博士は、芸術と美食を愛する天才医師でありながら、人喰い殺人鬼としての顔も持つ。アンソニー・ホプキンスはこの役でアカデミー主演男優賞を受賞している。
若い女性が誘拐され、皮を剝がれる連続猟奇殺人事件の捜査を担当することになった、FBI特別捜査官のクラリス(ジョディ・フォスター)。異常犯罪者の心理に迫るために、収監中の殺人鬼レクター博士(アンソニー・ホプキンス)に捜査協力を求める。

ハンニバル』(2001年)

リドリー・スコット監督。『羊たちの沈黙』から10年、脱獄に成功したレクター博士は、イタリア・フィレンツェで芸術と美食に囲まれた優雅な暮らしを満喫していた。レクター博士に深い恨みを抱いているメイスン・ヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)は、FBI特別捜査官クラリス(ジュリアン・ムーア)を利用してレクター博士をおびき出そうと画策する。

レッド・ドラゴン』(2002年)

ブレット・ラトナー監督。
1980年メリーランド州ボルチモア。FBI特別捜査官のウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、精神医学の権威ハンニバル・レクター博士のアドバイスを受けながら連続殺人事件を追っていた。しかし、最終的にハンニバルが犯人であることが判明したため、グレアムはレクター逮捕後にFBIを辞職する。
数年後、元上司のジャック・クロフォード(ハーヴェイ・カイテル)から捜査協力を求められたグレアムは、再びレクター博士の元へ向かう。

ハンニバル・ライジング』(2007年)

ピーター・ウェーバー監督。若きレクターをフランス人俳優ギャスパー・ウリエルが演じた。
1952年リトアニア。名門貴族レクター家の末裔だったハンニバル・レクター少年は、妹と共に戦争孤児となる。戦禍の中で妹が殺害され、食べられるのを目撃したレクターはあまりのショックで記憶を失ってしまう。その後、唯一血のつながった親戚である叔父を頼ってパリに逃げる。しかし、叔父は既に他界していたため、その未亡人であるレディ・ムラサキ(コン・リー)という日本人女性の庇護のもとで生活を始める。

文/吉野潤子

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