2019.01.14

ウイルスの99.96%を無力化!インフルエンザ予防に「紅茶」が効くってホント?

 2019年になり、いよいよ平成という元号もあと数か月で終わり、新しい時代が始まる時期になった。しかし、1月終盤から2月にかけてはインフルエンザが猛威を振るう季節でもある。実際、厚生労働省も、まだまだインフルエンザに対しての注意、警報を出し続けているのだ。

 しかしそんな中、インフルエンザの予防には、なんと紅茶が最も効果が期待できるという情報を得たので、さっそく取材に赴いてみた。

実験で証明! インフルエンザウイルスの99.96%を無力化!

 答えてくれたのは、自らも12年以上紅茶を飲用していて、その間、インフルエンザはもちろん、一般的な風邪にもかかったことがないという医師で、イシハラクリニック副院長の石原新菜(にいな)先生だ。

 まずは、なぜ紅茶がインフルエンザ予防の効果が期待できるのかということから聞いてみた。

「みなさんが日常的に飲用しているものですから、そういった素朴な疑問を抱かれるのも当然ですね。その秘密は、紅茶に含まれる〝紅茶ポリフェノール〟が持っている力にあります」

 ポリフェノールというのは、一般的にほとんどの植物が持っている苦味や色素の成分。自然界には5000種類上存在していると言われ、強い抗酸化作用を持っている。また、有害物質を無害に変換する、植物が自然界で生き抜くために自ら作り出した物質なのだ。

「インフルエンザウイルスは、表面にスパイクと呼ばれる突起状のタンパク質でできたトゲを持っています。そのトゲで喉や鼻などの呼吸器粘膜に取り付き、体内に侵入してさまざまな症状を引き起こすのです。しかし紅茶ポリフェノールは、スパイクを無力化して呼吸器粘膜の細胞に取り付く力をなくしてしまう能力を持っているのです」

 紅茶ポリフェノールは、テアフラビンやテアルビジンという赤橙色のポリフェノール。茶葉の種類によって、多少の含有量に差があるものの、どの種類の茶葉を飲んでもインフルエンザウイルスのスパイクを無力化することが分かっている。するとウイルスは、細胞への感染力を失うため、ヒトへの感染も阻止できることが期待できる。

紅茶を入れていない状態

紅茶を入れた後の状態

「三井農林さんが紅茶のインフルエンザウイルスを無力化する効果を確認した実験があります。試験管にインフルエンザウイルスを入れ、そこに試験液を混ぜて30秒間反応させ、その後、動物細胞を使って感染力が残っているウイルスの数を確認したものです。ウイルスに何も加えていない状態ですと、左の写真のように白濁した点ができて感染力があるウイルスが現れます。しかし、熱湯150mlに市販のティーバッグの茶葉2gを入れて1分間抽出した紅茶を常温に戻した試験液をウイルスに混ぜると、99.96%のウイルスが減少したのです」

 これが紅茶ポリフェノールの威力だ。ポリフェノールを含む飲料に抗ウイルス効果があるのは紅茶だけでなく、緑茶のカテキンも有名だ。しかし、である。その中でも最も効果的なのが、紅茶であるということが、これもやはり三井農林の研究で実証されている。それを示したのが下のグラフだ。一方で、インフルエンザ対策として広まっている乳酸菌は、意外とウイルスには直接効果がないという結果が出たのも事実だ。

ウイルスを無力化するまでの時間は、わずか『15秒』!

「これも三井農林さんの実験データですが、インフルエンザウイルスを無効化するまでの時間の比較テストデータもあるんです」と石原さん。

 上のグラフがその結果だが、それによると、紅茶がインフルエンザウイルスを無効化するまでの時間は、なんと、わずか15秒ほどしかかからないという事実が分かったのだという。上のグラフを見てもらえば分かると思うが、緑茶も時間が短く効果的だが、紅茶ほどでない。

「ですから、“この時間に飲むと効果的”というのではありません。一日の中で、小まめに飲用するといいと思います。特に外出先で人混みの中を歩いたりした後、帰宅後にすぐに飲むといいですね。仮にウイルスが喉などに侵入していたとしても、すぐに無力化できますから」

 また、温かい紅茶のほうが、より効果が高いということも分かっている。ただ、ミルクティーにしてしまうと、せっかくの紅茶ポリフェノールがミルクタンパクに取り込まれてしまうために、ウイルス対策として機能しなくなってしまう。最も効果的な飲み方は、温かいストレートティーだ。

「レモンやフルーツ、ハーブなどを入れても効果は維持できます。いろいろな組み合わせでアレンジをして、インフルエンザ対策を楽しむという気持ちで飲むといいでしょう。中でも私が一番勧めているのが、生姜入り紅茶です」

 生姜は体を温める効果が高いことが知られている。これは、生姜が含んでいるジンゲロールとショウガオールという成分の作用ため。血管を拡張させて血流をよくし、体全体を温める方向に働いてくれるのだ。

「ほかにも、血管を健康に保つ働きや血液サラサラ効果があります。ですから、間接的にですが血栓や高血圧といった症状に効果があることが期待できるんです。実際に私の患者さんに生姜入り紅茶を勧めたところ、ムクミや慢性的感じていた頭痛などが解消されたと言って、喜んでもらえています」

 生姜は擦って入れても、その絞り汁を入れてもいいそうだ。甘味が欲しい時は、ハチミツや黒砂糖、それにオリゴ糖などを入れるといい。それぞれが持つ体に対する効果が相乗的に高められて、美味しく飲めることになる。

2杯目、3杯目の薄い紅茶でも効果が期待できる!

 最近では、一般的に手軽なティーバッグで淹れることが多い。しかし、一度淹れてしまうとそのまま捨ててしまうことがほとんど。しかし、色が出る限りは、2杯目、3杯目の紅茶でも、対インフルエンザウイルスへの効果は期待できるのだという。

「一度使ってしまった茶葉は香りが薄くて美味しくないですよね。でも、まだ色は出るので、テアフラビンやテアルビジン等の紅茶ポリフェノールは残っています。そこで、飲むのではなく、その抽出液を“うがい”に使うといいですね」

 上のグラフは、紅茶うがいを『した』群と『しなかった』群で感染者を比べたものだが、実行した人たちのほうが、俄然、感染者が少ないのが見て取れるはずだ。

 また、カフェインレスの紅茶でもインフルエンザウイルスを無力化する効果には違いがないということも分かっている。通常の飲用に使われる10分の1程度の濃度でも、十分に効果があることも分かっているのだという。

「紅茶にはそのほかにも、食中、食後の血糖値の急激な上昇を抑制したり、体内の炎症反応や脂肪の吸収を抑制したりする働きがあることも報告されています。健康に役立つ飲み物であることは間違いありませんね」

 インフルエンザ感染の可能性をできるだけ低くするには、ワクチン接種に加えて、紅茶を飲むことを併用すれば、かなりの効果が期待できるのだ。これからでも遅くはない、さっそく積極的に飲むようにしてみようではないか。

取材・文/松尾直俊
医療や健康、トレーニングなどを中心に雑誌や書籍、Webに記事を執筆している。ほかに食や旅、歴史に関することなど、マルチに書けるライター。

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