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公務員の退職金は高い!?地方公務員の気になる退職金システム

2019.01.10

地方公務員がもらえる退職金、その計算方法は?

地方公務員の退職金は、「基本額+調整額」で決定されている。

・基本額

「退職日時点での給与額×勤続年数に応じた支給率」で算出される金額のこと。支給率は勤続年数に応じ、退職理由によっても変わってくる。

・調整額

公務員は、その功績や取り組み度によって11区分に分けられており、それによって調整月額も異なってくる。この調整月額のうち、額が大きいものから60ヶ月分の額を合計したものが、「調整額」となる。

勤務している地方公共団体によっても変わってくるが、地方公務員の多くは国家公務員の制度等に準じているため、国家公務員と同じ値で計算するといいだろう。

【参考】国家公務員の退職手当制度について (内閣官房)

地方公務員の退職金、自己都合の場合の計算

前述のとおり、公務員も一般企業と同じく、自己都合で退職すると退職金が低くなる。勤続年数35年の段階で比較すると、定年で退職すれば支給率が「47.7」に対し、自己都合の場合は「39.8」になってしまう。

調整額も同様に下げられ、勤続 10 年以上 24 年以下の自己都合退職者は、調整額が半額になる。また、勤続年数9年未満の自己都合退職者の場合、調整額は0円の状態だ。

地方公務員の実際の退職金額は?計算してシミュレーションしてみよう

計算方法が分かれば、地方公務員の退職金額をある程度予想することができる。ここでは、平成29年度の地方公務員の平均月収「36万円」を基準として、シミュレーションしてみよう。

【参考】地方公務員の給与水準 (総務省)

勤続年数5年目の地方公務員の退職金額

勤続年数が5年の地方公務員の場合、定年での支給率は「4.2」、自己都合だと「2.5」になる。

・定年退職の場合…約151万円+調整額
・自己都合退職の場合…90万円 調整額なし

勤続年数が9年未満のため、自己都合の場合は調整額は0円=なしだ。

勤続年数10年目の地方公務員の退職金額

勤続年数が10年の地方公務員の場合、定年での支給率は「8.3」、自己都合だと「5.0」になる。

・定年退職の場合…約299万円+調整額
・自己都合退職の場合…180万円+半額分の調整額

前述したように、勤続年数が24年以下の場合、自己都合だと調整額が半分になってしまう。

勤続年数15年目の地方公務員の退職金

勤続年数が15年の地方公務員の場合、定年での支給率は「16.2」、自己都合だと「10.4」になる。

・定年退職の場合…約583万円+調整額
・自己都合退職の場合…約374万円+半額分の調整額

勤続年数20年目の地方公務員の退職金

勤続年数が20年の地方公務員の場合、定年での支給率は「24.6」、自己都合だと「19.7」になる。

・定年退職の場合…約886万円+調整額
・自己都合退職の場合…約709万円+半額分の調整額

地方公務員、課長クラスの退職金はいくら?

このように具体的な金額がわかると、「役職に就けば、さらに多くの退職金がもらえるのでは?」と気になってくるのでないだろうか。

職種や団体区分でも変わってくるが、自治体によっては、一般行政職員の月収・年収の例を役職別に出しているところもある。調整額はわからないが、これを参考にすればおおよその退職金を予想できる。

【参考】東京都職員の給与モデル (東京都人事委員会)

改正によって引き下げられる!?地方公務員の退職金問題

前述したように、公務員の退職金は5年ごとに調査されている。退職金が民間企業よりも上回っていると、その都度、改正されて退職金も引き下げられてしまう。2021年度の調査によっては、さらに引き下げられる可能性が十分にあるということだ。

今後、地方公務員の退職金はどうなる?

現在、民間企業は中高年のリストラ、給与体系の変更などで、退職金は大きく下がっている。それにともない、公務員も退職金は下がると予想されているが、それでもボーナスが確実にもらえ、リストラの可能性や離職率が低いことを考えると、手堅い職業であることはまちがいない。いま就職活動中や転職を考えているなら、地方公務員も選択肢の1つとして検討してみてはいかがだろうか?

取材・文/ねこリセット

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