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史上最悪規模!?ソフトバンクの通信障害はなぜ起こったか

2019.01.10

5GやIoT時代に通信障害は致命的

房野氏:人事的な処罰はあるでしょうか。

法林氏:今回、いろんな意味でタイミングが悪い。会社が上場したタイミングで、宮内社長、減俸何か月とかは、やりにくいだろうし。

房野氏:では、総務省の指導を受けて改善するということですね。

法林氏:改善計画を出しますといっているけど、どこまで本当のことを言うかは、内情をさらすことになるので言えない部分も出てくるかなという気がしますね。そこら辺は難しいところですね。MVNOも落ちるわ、法人契約もトラブルになるわ。

石川氏:自分の場合では、保育園から子どもの様子がわかるアプリが提供されているですけど、それがソフトバンクの回線を使っていたんですよ。当日のお知らせで、ソフトバンクがダウンしているので、昼寝の時間帯の記録が送れませんのでご理解くださいって。でも、ちゃんとノートに手書きで記録しますのでご安心くださいと。こういうところにも影響があるんだなと思いました。2013年にKDDIも通信障害を起こしましたけれど、まだあのときはスマホが普及しきっていなかったところがある。これだけ普及して細かいところにも影響があることを考えると、非常に重大なトラブルだったと思いますし、この先、IoTで、あらゆるものがつながるといっている中、4時間半、通信が止まることが、どれだけ社会的な影響を与えるか。本当に恐ろしいことにならなきゃいい。ソフトバンクはトヨタとMONETという新会社を作って、自動車サービスのプラットフォームとIoTのプラットフォームを連携させ、将来的に自動運転をしますっていっているときに……

法林氏:4時間半止まったらどうなるんだと。

石川氏:これから5Gだ、IoTだという機運に冷や水を浴びせたなって感じがします。

房野氏:サービスの根幹ですよね。インフラでつまずくと困りますね。

ソフトバンクとトヨタが立ち上げた新会社MONET

法林氏:どの会社でも、どのサービスでも起こりえることだけど、ちょっと立ち回り方というか、周りの環境が今回はよくなかった。今までの微妙なバランスの上に立っていたものが、ジェンガじゃないけど、1本抜いたら崩れたみたいな話。今回の障害は、たぶん何かのソフトウェアの入れ替えをしているときにトラブルが起きているんだけど、ダメだったから元に戻したら動いたという話で、じゃあ、次のバージョンはどうするんだみたいな話もある。いろんな意味で不安な感じがします。これは石川君が言ったようにIoTにも絡んでくる。将来的に、もっと広い範囲でネットワークが使われるようになったときにどうするか、災害に絡んだらどうするのかということもある。ユーザーがデュアルSIMで自衛するという話も、まんざら冗談ではない。僕らは職業柄、2回線以上持つのが当たり前になっているけれど、一般のユーザーも自衛策を考えないといけない。

石川氏:ラジオで一緒に出演している女性が2回線持っていたんですけど、それがソフトバンクとY!mobileで。

法林氏:ダメじゃん、2回線の意味がない(笑) 

石川氏:どうしようもなかったという話をしていました。

石野氏:そういうのはネットでも見ました。「2回線の意味ない」「2回線だと思っていたのに」みたいな。

法林氏:ネットワーク回線が丸ごとドンと落ちることは、なかなかないので。まして4時間つながらないとかね。

石川氏:真っ昼間の4時間でしたからね。

石野氏:時差の関係で障害が夜に起こった国もあったけど、日本は運が悪かった。

法林氏:最初にソフトバンク回線がダウンしていると聞いたときに、あぁ、またやらかしたのね、くらいにしか思っていなかったのが、(イギリスの大手携帯電話会社)O2でも落ちているっぽいという話が夜に出てきて、ベトナムのMobifoneでもダウンしたって伝わってきて、これダメじゃんみたいな感じ。原因は何?ってなった。

ベトナムの大手電話会社Mobifone

石野氏:ファーウェイ説とか一時、ありましたね。

石川氏:ねぇ、ひどいよね。PayPay説もありましたね。

房野氏:風評被害ですね。

……続く!

次回は、「ファーウェイの今後」について話合います。ご期待ください。

法林岳之
法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温
石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也
石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子
房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

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