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史上最悪規模!?ソフトバンクの通信障害はなぜ起こったか

2019.01.10

ソフトバンクのネットワーク構築に問題はないのか

房野氏:総務省から指導が入りそうですね。

法林氏:もちろん、総務省からは盛大に怒られます。たぶん、日本の歴史上、最大級の通信トラブルじゃないですか。

房野氏:キャリアだけに指導が入るんですか? ベンダーには?

法林氏:ベンダーは関係ないです。

石野氏:キャリアにです。

法林氏:だって国が電波を貸しているのはキャリアですから。当然、怒られるのはキャリアです。

石川氏:宮内さん(ソフトバンク社長の宮内 謙氏)ですよ。

房野氏:総務省に呼び出されて?

法林氏:当然です。始末書みたいなものを出す。

石川氏:もう報告は行ったはずですよね。三千何万人に影響が出たとか。

石野氏:それって、ほぼソフトバンクの全ユーザーですね。

房野氏:今回、障害がソフトバンクだけだったのはなぜですか? ドコモやauはエリクソンの装置を使っていないのでしょうか。

石川氏:ほかもエリクソンの装置は導入していますけど、そのMMEはソフトバンクだけ導入していたってことだと思う。

石野氏:ドコモとauは、いろんな装置を組み合わせているんです。ここはエリクソン、ここはノキア、ここはシスコとかいう形で、富士通、NEC、サムスンを含めて、いろんなところを組み合わせて作っているので、今回は、ドコモとauは障害が起こるところには、エリクソンの装置を使っていなかったということだと思います。

法林氏:基地局やバックボーンのネットワークについては、ベンダーさんがどこだといった情報を含めて、僕ら取材者にはあまり詳しくは教えてもらえないし、見せてもらえない。見に行けたとしてもそういう機器がわかる人じゃないと、わからないというレベル。僕らもわからないレベルで、一般の人が気にすることでもないんだけど、なんだろう、言い方はよくないですけど、オーダーメイドみたいな作り方をしているのはドコモ。自分のところの仕様に合わせて、完全に作っているみたいなところがある。それに準じているのはKDDI。一部、洋服でいえば既製服みたいなものが入っているけど。逆に、ソフトバンクは既製服なのかな。「安いDellのパソコンを買ってきました」みたいな感じ。今週のセール品をなんて言う話じゃないけど、ネットワーク関係者にいろいろ話を聞くと、そういうイメージっぽいんですよ。なので、どこまで自分たちでコントロールできるかを考えると、ドコモの方がコントロールできるし、準じてできるのはKDDIだし、ソフトバンクはうまくできていなかったんじゃないのっていう指摘はある。なので、トラブルが起きました、エリクソンがやらかしましたというリリースを出したことに対して、反感を持つ業界関係者は多いと思います。

石野氏:ドコモやKDDIは、LTEの始まりの頃に、よくトラブルがあったじゃないですか。あれは、自分たちでゼロから試行錯誤して作り上げているから、初めのうちは経験の蓄積が浅いのでトラブルが起こったということだと思う。逆にソフトバンクはあの頃、「通信障害はゼロだ、どやっ!」みたいなことを言っていた。あれは、グローバルで実績があるエリクソンの装置を、そのままぽんと持ってきているので、安くて、しかも安定していたから。逆にトラブルが一度起こると、グローバル規模で巻き込まれてしまうという欠点もあるのかなと。

房野氏:“吊し”を使っている理由は、コスト面ですか?

石野氏:技術面も。

石川氏:そこまでの技術力は、ソフトバンクにはないだろうし。自社でネットワークを構築できる会社って世界的にも限られているので、ソフトバンクとエリクソン的なやり方の方が主流なのかな。ネットワークの管理もエリクソンが引き受けるソリューションが、MWC(Mobile World Congress)とかで展示されていた。

石野氏:オペレーションセンター、ドコモが品川などに持っているような設備を、丸ごとエリクソンが引き受けている。キャリアは本当に、なんというかユーザーの窓口でしかないというか。ネットワークの技術運用は全部任せてしまって、やるのは料金設計くらい。

法林氏:言い方として正しくはないけれど、MicrosoftのAzureとかAmazonのAWSみたいなクラウド上のサービスを、例えば「石野商店」が借りて、そこでオンラインショップをやっている、そんな感じが近いのかな。エリクソンがハードウェアからバックから全部作っちゃっている感じがする。ドコモやKDDIは自前でやるパターン。NTTはグループとしてのセンターもあるし、東西にドコモのオペレーションセンターもあるし、KDDIはデータセンターを持っているし。もちろんソフトバンクも持ってはいるけれど、携帯電話に関してはちょっと、そういう使われ方なのかなって感じ。

石野氏:最近の中国の話にもつながるんですけど、アメリカがファーウェイをあそこまで危険視するのは、こういう丸投げビジネスモデルがあるから。そりゃまぁ、他の国、それも政治体制が違う国のベンダーに、オペレーションセンターまで一括して丸投げしたら、もし有事になったら、そこから情報が抜かれ放題になるよね、ということを警戒するのはわかる。

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