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日本中を癒したカーリング女子の「もぐもぐタイム」は職場にも必要だ

2019.01.12

2018年2月に開催されたオリンピック平昌大会。白熱する試合が繰り広げられる中、日本中の熱い視線が“ある光景”に降り注いだ。それは、カーリング女子日本代表が試合の休憩時間に食べたおやつのシーンだった。

選手たちがピクニックのように円になってバナナやイチゴなどのおやつをほおばる「もぐもぐタイム」は、日本中の興味を集めた。若き女性アスリートたちが作戦会議を交わしながら美味しそうに果物を口に運ぶ姿は、男性のみならず女性も目を引きつけた。真剣勝負の合間に見せる彼女たちの“素”の姿に、誰もが心癒されたはずだ。

また、真剣勝負の場で笑顔こそ少なかったが、「そだねー」を繰り返してお互いを尊重しながら勝つ方法を話し合う光景は、美しい協調性も感じた。日本の職場にもマイペースで協力しながら頑張れる環境があればいい。そんなうらやましさも心にわきあがった。

カーリングは“氷上のチェス”と呼ばれるほど研ぎ澄まされた頭脳を必要とする。世界一を決める大会で繰り広げられた壮絶な頭脳戦。その末に、カーリング女子日本代表は、悲願の銅メダルを手にする。この快挙を達成するには、試合を戦い抜くための信頼関係が不可欠であり、その信頼関係は「もぐもぐタイム」に見た密なコミュニケーションを重ねて築き上げたはずだ。

世知辛いニュースが流れ、息苦しい日常と闘いながら毎日を送る日本人には、きっと“みんなでおやつを食べる時間”が必要なのかもしれない。そうでなくとも、寒風吹きさらす日本社会にほっと心を温めるような風景を届けてくれたことは間違いない。

2018年の冬を振り返ると、オリンピックという大舞台で食べていた彼女たちのおやつを思い出す。日本中が「もぐもぐタイム」をうらやましく見つめていたはずだ。

文=いのうえゆきひろ

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