【プレーバック 平成元年】消費税が導入で“何をいつ買えば得なのか”てんやわんや
平成最後の年末・年始です。流行語大賞にはノミネートされませんでしたが、「平成最後の」はわりとメディアで使われた言葉じゃないでしょうか。というわけで、今から30年前の昭和63年、平成元年を「DIME」のバックナンバーで振り返ってみます。
日本で消費税が導入されたのは、平成元年の4月1日。DIMEでも、当然特集記事が組まれました(平成元年3月16日号)。といっても、政治としての話題ではなく、「何をいつ買ったら得になるのか」を商品ジャンルごとに徹底解説しています。というのも、消費税導入(当時は3%)に合わせて、物品税の廃止など、税制の変更がなされたからです。記事から、簡単に拾ってみましょう。
医療費
社会保険による診察は非課税だが、人間ドックなどの自由保険診療は課税。増税前に支払うと得。
自動車のオプション品
自動車税に引き下げ、物品税の廃止でクルマは安くなる。カーステレオなどのオプション品は、自動車購入時に取り付けられていると6%だが、納車後に取り付ければ3%で済む。
海外パック旅行
国外取引とみなされ課税されない。日本から海外の航空料金、海外から日本への航空料金は国内取引となるが、消費税法の規定により免税となっている。
酒
税制改革により、安い酒は高く、高い酒は安くなった。5000円クラスの高級ウイスキーは1000円以上、ビールは大瓶で10円安くなり、焼酎は1升瓶で数十円の値上げとなった。
ホテル・レストラン
消費税導入にともない、料理飲食等消費税(10%)が廃止され、代わりに特別地方消費税(3%)が登場。特別地方消費税の免税点は飲食がひとり5000円、宿泊が1万円。料理飲食等消費税の免税点はそれぞれ2500円と5000円だったので、それ未満の料金のものは消費税分が増税となった。ホテルの宿泊料金はサービス料と10%の料飲税がかかるため計算がややこしく、室料7462円から1万円の部屋と、1万4705円以上の部屋のみが減税となる。ちなみに、料飲税も特別地方消費税も2000年に廃止された。
貴金属
それまで3万7500円以上の宝石、貴金属には15%の物品税がかかっていたが、これがなくなるため、3万7500円以下の商品は3%の値上げ、それ以上の商品は安くなった。ただ、金地金は、それまで非課税だったため、消費税分が値上げとなった。
「懐かしい、そんなこともあったな」と思い出す人もいれば、「なにそれ、面倒くさすぎ」という感想の若い人もいるでしょう。ざっくりまとめると、今よりもかなり複雑だった消費関連の税が、消費税に一本化されることで、広く薄くかかるようになりました。3%で大騒ぎだった消費税も、2019年10月にはついに10%まで引き上げられます。30年前のように物品税廃止などの恩恵はないので、つらいばっかりですねぇ……。
物品税の一覧。クーラーや大型のテレビや冷蔵庫にも20%かかっていました。
文/小口覺