コンパクトなボディと抜群の悪路走破生で日本の狭い山道でもストレスなく走ることができるジムニー。林業など山岳地帯で活躍するヘビーデューティーなクルマとして名高く、キャンプはもちろん、未舗装路を走る機会が多い釣り、ハンティング、そしてスキーやスノーボードを趣味とする人たちにも愛されるクルマだ。
そして、タフな遊びの相棒となるジムニーだから、フィールドそばでの車中泊はマスト。軽自動車という限られた空間での車中泊のノウハウをご紹介。
車中泊キットはジムニー専用設計だから美しくて快適
新型ジムニーがフルフラットにできるからといって、キャンピングカーのように平らにできるわけではない。まして先代ジムニーはセカンドシートを倒しても大きな段差が生じる。
カスタムショップが販売している車中泊キットは、歴代ジムニーにあわせた専用設計のため隙間なくピッタリフィット。助手席側はグローブボックス、運転席側はハンドルすぐそばまでベッドにできるものが多く、大柄な人ものびのび過ごせる。見た目も美しく高級感がある。
デメリットはやはりその価格と収納性だ。価格は仕上がりの美しさと設計・製作の手間を考慮すれば納得いくが、手持ちの道具の大きさ・形によってはうまく荷室に収まらない場合がある。ベッド展開していない時の車中泊キットのサイズも確認しておきたい。
ジムニー用ベッドを自作して車中泊、改造する強者も
先代ジムニーはセカンドシートを前に倒して荷室を広げられるのだが、そのときにどうしても段差が生じてしまう。この段差を解消するのがジムニーを車中泊仕様にする第一歩だ。
イレクターパイプを使ってフレームを組み、その上に板を載せるという方法。自作なら手持ちの長尺物をベッド下に収納するようフレームの高さを調整してもいい。
また、先代ジムニーの場合セカンドシートを取り外してフルフラットに改造するユーザーも。荷室の容量を増やせるが事故など万一の際に不利になる場合があるので、改造する前に契約している保険会社への相談、車体構造変更届についても確認しておきたい。
車中泊仕様へのお手軽改造はジムニー×アイリスオーヤマのコンテナ
イレクターパイプの加工は簡単だが、パイプの分だけ荷物が増える。先代ジムニーの収納力を損なわず車中泊仕様へと改造する方法として知られているのが、アイリスオーヤマのコンテナボックスを利用するという手法だ。
アイリスオーヤマのコンテナボックスにはいろいろな容量・形がそろっており、RV BOX 770F(77×32×H15.5cm)なら倒したセカンドシートとほぼ高さが同じ。あとは板を敷くか、厚手のエアマットを敷けばほぼフラットなベッドとなる。
新型ジムニーはセカンドシートの段差はなく、この苦労はない。ちなみに、アイリスオーヤマのカートランクCK-130が新型ジムニーにピッタリおさまる。車中泊時にはカートランクを外に出すだけでいいと考えるが、荷物をいれたままカートランクを取り出すのは大変だ。
はたしてジムニーでの2人旅で車中泊はできる?
先代ジムニーの室内長は約170cm、新型ジムニーは約180cm。ラゲッジスペースも含めると、先代・新型ともに助手席側なら180cmほどの長さを確保できる。とはいえ足先や頭が壁に接してしまうと非常に不快なので、身長175cm以上だと自然に脚を曲げてしまいそう。
ソロなら斜めになって眠ればいいが、運転席側はハンドルがある分、20cmほど短い。2人で車中泊するならひとりは小柄でないと厳しい。
また、2人で車中泊をする場合は、荷物を車内に置くスペースは期待できない。とくに先代ジムニーは後部に出っ張りがあり、そこに2人が寝ると決してゆったりできるとは言えない。ルーフボックスを利用するか、鍵付きのコンテナボックスに道具を収納し、外に置くなど工夫が必要だ。