総務省の国勢調査によると1990年から2015年の25年間で65歳以上の配偶者と死別した単身者“没イチ”は1.5倍に増加し、2015年は男女合わせて864万人を突破しているという。
そんな社会テーマになりつつある“没イチ”について、定額のお坊さん手配サービス「お坊さん便」を実施する企業「よりそう」による、興味深いアンケート調査の結果が発表されたので、紹介していきたい。
没イチ当事者:死別後、約7割が新しいパートナーとの再婚を希望
“没イチ”の方への調査において「死別後に寂しさを感じることはありますか」という質問に対して、「寂しさを感じることがある」との回答が82%となった。
また、再婚の希望については「再婚したい」「死別再婚を妨げる理由が解消されるなら再婚したい」という回答が69%という結果に。
死別再婚を妨げる理由を問うと、「死別した配偶者に申し訳ない」が27%、次いで「親類からの評判や批判が気になる」が20%、「世間体が気になる」が12%、「子どもが再婚を理解してくれるか不安」が12%となった。
死別した配偶者への思いに加え、親類や子ども、世間からの批判を恐れる気持ちが死別再婚を阻む大きな原因となっており、“没イチ”当事者の方が、寂しさを抱えながらも周囲の目を気にして自分らしく生きていくことが出来ない現状が明らかに。
両親のうち片親を亡くした方:約7割が死別再婚に“賛成”
両親のうち片親を亡くした方に対して、「あなたのお父様またはお母様が、残りの人生を幸せに生きるために新しいパートナーと再婚することをどう思いますか?」という質問が行われると、65%の方が「再婚はありだと思う。」と回答。
“没イチ”の方々が死別再婚に関する懸念の一つとして抱える「子どもが理解してくれるかどうか不安」という問題に対して、実際には子どもは死別再婚には賛成しており、残された人生を応援したいという気持ちを持っていることが判明した。
一般の方:残りの人生を幸せに過ごす選択として約6割が死別再婚に“賛成”
また周囲に“没イチ”の方がいた場合のこと想定した質問を一般の方を対象に調査が行われたところ、「周囲に“没イチ”の方がいるとしたら、再婚を応援しますか。」という質問に対して、62%の方が「“没イチ”の再婚を応援したい。」と回答。
“没イチ”の方々が死別再婚に関する懸念の一つとして抱える「世間体が気になる」という問題に対して、実際には残りの人生を幸せに過ごす選択として死別再婚に“賛成”する人が多いことが判明した。
当事者の想いとは裏腹に、周囲は賛成する傾向の強い没イチの再婚。人生100年と言われる今の時代、亡き人を想い続けて単身を貫く生き方よりも、新たな幸せに向けて舵を切る生き方のほうが、支持されつつあるのかも知れない。
<調査概要>
■サンプル数:734名(配偶者と死別された方158名、両親のどちらかを亡くした方288名、左記以外の一般の方288名)
■調査対象者:日本全国の40代以上の男女
■調査方法:インターネット調査
■調査時期:2018年11月12日~11月13日
■調査内容:「死別再婚」に関する単一回答、複数回答にて調査し、分析
出典元:株式会社よりそう
構成/こじへい