デジタルアウターミラーがドライバーにもたらすメリット
右左折やバックする際に、ウインカーやシフト操作などと連動してズームアウトして広い範囲を映し出すのも、大きなメリットのひとつだろう。運転中の死角が大幅に軽減されている。それら3つがデジタルアウターミラーの主なメリットで、それぞれ効き目が良くわかった。特に、ウインカーと連動してのズームアウトは側方の死角をなくしてくれるので助かる。それらに付随して、左右を確認する時の視線の移動量が少なくなるのも確認できた。違和感よりも、便利さのほうが優っていた。ただ、弱点もあった。遠くのクルマを見分ける解像度は、これまでのミラーの方が明らかに優っていたのだ。
例えば、高速道路など、一定のクルマの流れの中ではるか後方を走っているクルマを確認するような時のことだ。豆粒ほどのクルマが乗用車なのかトラックなのか?乗用車だったらセダンなのかSUVなのかミニバンなのか?緊急自動車などをミラーだったら見極めが付いていたところ、このデジタルアウターミラーではできなかった。デジタルカメラやスマートフォンなどと同じように、デジタルアウターミラーもこの先、急速に進化していくことが十分に予想される。解像度についてもそのうちに解決するだろう。
また、モニター画面なども、メーターパネルやフロントグラスへのヘッドアップディスプレイなどへ投影され、各種の警告デバイスと統合されていくことも考えられる。その進捗状況はたぶん早いだろうから、興味がある人は自分に合ったタイミングで取り入れるのが良い。当たり前のような結論で恐縮だけれども、運転中の周辺視界が新たにデジタル化されたことによって、クルマの運転がまたひとつ変化していくことを憶えておいて損はないと思った次第だ。
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文/金子浩久