石川氏:お金を持ったアジア人って、ああいうものを作りたがるんだなって感じましたね。
房野氏:ヨーロピアンでしたね。もちろんApple Parkよりも広いですよね?
石川氏:Appleは周辺にもオフィスがあるので、一概にはいえないんだけど……。
法林氏:あの丸い建物はでかいけどね。
石野氏:Apple Parkはディズニーランドより少し大きいくらいですね。0.7平方キロメートル。
石川氏:じゃあファーウェイの新本社は本当に大きいんですね。
石野氏:確かに電車に乗っている時間が長かったですもんね。
石川氏:1周8駅で8分。基地局関連による収益が大きいからなんだろうと思いましたけどね。端末、スマホだけであれは無理だって気がしたな。ただ、あれを維持するのも大変だろうな。庭の整備にすごく金がかかるだろうなって気がするし。
法林氏:効率化によって、工場の製造ライン1つあたり80人だったのが17人に減ったと。63人は辞めたのかといったら、いやそうじゃなくてラインが増えていると。
石川氏:ファーウェイのラインよりOPPOのライン方が人が多く感じましたね。
房野氏:そうですね、OPPOは製品の検査も人がやっていましたし。
石野氏:工場の設備はファーウェイの方が新しい感じがしましたね。
石川氏:工作機械も自分たちで作っているとか。
法林氏:ロボットアームは日本製だった。
石川氏:ロボットアームは日本が強いんでしょうね。
法林氏:そう思った。
石川氏:そこに労力を割くよりも、それ以外を作った方がいいと。ラインの最後には謎のIMEI腕章を付けた人もいた。
法林氏:あれ、欲しかった(笑)
石川氏:欲しくはないでしょう(笑)
房野氏:IMEI番号の書かれたシールを、人が貼っていたとは思いませんでした。かえって間違えるんじゃないかと思いましたが。
石川氏:謎ですよね。
法林氏:いろいろ感心することはあったけれど、とにかくインパクトは新本社のキャンパスに尽きる。だって電車が走っているんだよ。
房野氏:ファーウェイのすごさが表れている感じでした。
法林氏:すごいと思いましたよ。だって、こんな建物、どうみてもホテルじゃん。
石川氏:そうですよ。で、ホテルはあるのかと聞いたら、ないというし。
石野氏:中国メディアの転載で「ファーウェイが東莞市にお城を建設」という記事があるんですけど、ビックリって感じですよね。僕らが回ったところより奥の方にも、かなり建物がありましたもんね。大きな橋もあった。バスに乗ってキャンパスから出たとき見た、似たようなテイストの建物は、従業員用のマンションだといっていた。
石川氏:あそこで働く従業員は最終的に2万5000人になるらしい。今の本社オフィスは4万人といっていましたっけ。
石野氏:住所的には東莞市松山湖地区で、R&Dの人が入るんですよね。いやぁ、ちょっとね……。今の深圳本社がディズニーランドの4倍なんですね。なんだろうな、あれをプレスツアー初日の一発目に見せちゃダメですよね。あれしか頭に残らない(笑)
石川氏:Googleマップの航空写真で見ると、まだ工事中の状態。
石野氏:この辺、何もないところなんですね。
房野氏:新本社が急にどーんとできたって感じなんですね。
石川氏:そりゃね、やっぱり日本メーカーは勝てないよって思った。
石野氏:あれを見ちゃった後は、もう。
石川氏:中国全土から優秀な技術者を集めようと思ったら、あれくらいしないと集まらないだろうし。
法林氏:確か、政府から特区みたいな感じで土地を与えられたというような記事を読んだ気がする。
石川氏:YRP(横須賀リサーチパーク。電波・情報通信技術を中心とした研究開発拠点で、NTTやドコモ、NEC、富士通など複数の企業が集まっている)じゃ勝てないよ。
法林氏:でも、感覚的にはYRPのすごいバージョンだよね(笑)
石川氏:じゃ、中国版YRPってことで。
石野氏:YRPはいろんな会社がいますからね。1社ではない。
法林氏:“ファーウェイRP、FRP”だよ。
石野氏:豊田市もそうですけど、会社の名前が町の名前になったりするじゃないですか、三洋町とか。そういう感覚。
法林氏:8平方キロメートルは、おかしいよ。
石川氏:2キロ×4キロですからね、ざっくりいうと。
法林氏:端から端まで歩いたら疲れちゃうよ。人間が歩くスピードが時速4キロくらいだから……
石野氏:1時間かかる。いやぁ、本当にもう行政区域になりかねないというか、公の存在だなと。
石川氏:そりゃあ、アメリカも牽制するよ。やばいなと思うでしょう。
石野氏:うん。