味の濃さを実感できるよう生地もリニューアル
こうして『スコーン』は、若者に支持されるべくフルリニューアルを行なった。
まずパッケージデザインは、色、ロゴの2つを現在のものから大幅に変更。ロゴが一番目立つようになっている。
描かれているゴリラのようなキャラクターが、新たに開発された「ハラペコング」である。「萌え」ではなく「燃え」キャラとのことで、設定は勉強以外の部活や遊び、恋愛に全力投球する、青春まっただ中の中学生。タブレット菓子『ピンキー』のキャラクターであるサルのピンキーの従兄にあたるそうだ。
ハラペコングの化身で「私立スコーン学園」の生徒である野性爆弾のくっきー氏
ラインアップは6種類から(2018年11月29日付)、〈がっつきバーベキュー味〉〈憧れのクワトロチーズ味〉〈どはまり濃いもろこし味〉の3つに変わる。フレーバー名も以前のように簡潔ではなく一ひねりした。振り向いてもらうための工夫の跡がうかがい知れる。
〈がっつきバーベキュー味〉は、現在発売中の〈和風バーベキュー味〉の濃厚さや香ばしさを維持しつつも、牛、豚、鶏肉を追加したことで濃厚さと香ばしさを強化した。
〈憧れのクワトロチーズ味〉は、4種類のチーズをふんだんに使用し塩味が引き立つ。チーズをふんだんに使ったことで香りが強く、食欲がそそられる。
〈どはまり濃いもろこし味〉は、とうもろこしそのままの美味さを実現。スイートコーンの甘みや香ばしさを強化した。
また、濃さをより実感できるようにするため、生地を見直した。それまでの生地との最大の違いは、とうもろこしの中で一番甘いと言われている「スーパースイートコーン」を練り込んだこと。これにより、甘さと香ばしさが増し、はっきりした味わいになった。
3フレーバーすべて試食したが、確かにどれも味が濃い。個人的には生地の甘さ・香ばしさと味の濃さのバランスがいい〈どはまり濃いもろこし味〉が大人向けで一番口に合った。ただターゲットの10代であれば、〈がっつきバーベキュー味〉や〈憧れのクワトロチーズ味〉の方が好まれると思われる。
「私立スコーン学園」を舞台にしたコミュニケーション
肝心のターゲットである10代に届くよう、コミュニケーションも10代に寄り添って展開するという。そこで登場するのが、「私立スコーン学園」で、身近な学校を舞台にしてコミュニケーション施策を展開することにより、親近感を持ってもらうことにした。テレビCMはもちろんのこと、屋外広告、スクールボード、ウェブサイト、SNS上で、学園ドラマを展開。湖池屋の社員も学園の教師として登場するほか、オリジナルの制服やバッグ、体操服まで制作し、学園ものの世界観をつくる。これらのアイテムについて佐藤氏は、明言は避けたもの、何らかの形で登場することを明らかにした。
「私立スコーン学園」開校の予告編も制作。「ハラペコング」が「ポリンキー」など数々の湖池屋のキャラクターをなぎ倒していく様をゲーム調にしたもので、学園の公式HPから閲覧できる。