「お酒を飲み過ぎても一晩寝れば運転しても大丈夫だと思う」 社用車ドライバーの約4割
≪お酒を飲み過ぎても一晩寝れば車を運転しても大丈夫だと思う≫において、『そう思う(計)』は、社用車ドライバーで37.2%、マイカー通勤者で35.1%だった。
体質や体格、体調にもよるが、アルコールがからだから抜けるまでには摂取したアルコール量に対して一定の時間が必要で、寝ただけでは抜けないのだが、誤った認識により危険な状況で運転している人もいるのではないだろうか。
日頃の飲酒量別にみると、『そう思う(計)』は、1合未満の人では26.3%、1合~2合未満の人で38.7%、2合~3合未満の人で43.1%、3合以上の人で53.8%と飲酒量が多いほど高くなり、3合以上の人では半数を超えた。日頃の飲酒量が多い人ほど、“飲み過ぎても一晩寝れば車を運転しても大丈夫”だと思う傾向にあるようだ。
また、自分はお酒に強いと思っている人についてみると、『そう思う(計)』は、52.0%と、お酒に強くないと思っている人(26.1%)の約2倍の割合となった。
「お酒が抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転することがある」 社用車ドライバーの約3割
続いて、社用車ドライバー(615名)とマイカー通勤者(185名)に、お酒を飲んだ翌日の運転について調査が行われた。
まず、≪お酒が抜けきっていないと思いながら通勤や仕事で車を運転すること≫はあるか聞いた調査において、『ある(計)』は、社用車ドライバーでは27.2%となった。お酒が残っていると感じつつ、仕事中に社用車を運転したことがある社用車ドライバーは少なくないようだ。一方、マイカー通勤者では『ある(計)』は14.1%だった。
また、社用車ドライバー(615名)に、≪お酒臭いのに社用車を運転している人を見たこと≫はあるか聞いた調査では、「よくある」が1.6%、「ときどきある」が10.2%、「1~2回ある」が12.5%で、『ある(計)』は24.4%と4人に1人の割合となった。危険な状況を見過ごされている実態があるようだ。
「翌日の運転を考え、お酒を飲み終える時間を早めることがある」 社用車ドライバーの7割
社用車ドライバー(615名)とマイカー通勤者(185名)に、翌日に車を運転する際、アルコールがからだに残っていないようにするための対策について調査が行われた。
まず、≪翌日の車の運転を考え、お酒を飲み終える時間を早めること≫についてみると、『ある(計)』は、社用車ドライバーでは69.4%、マイカー通勤者では57.8%となった。
次に、≪翌日の車の運転を考え、飲むお酒の量を控えること≫についてみると、『ある(計)』は、社用車ドライバーでは72.8%、マイカー通勤者では59.5%となり、≪翌日の車の運転を考え、お酒を飲まないようにすること≫についてみると、『ある(計)』は、社用車ドライバーでは61.8%、マイカー通勤者では52.4%となった。
飲酒運転事故のニュースを見ると飲酒運転の怖さを感じる」 マイカー通勤者の9割半
社用車ドライバーやマイカー通勤者、社員が社用車を運転することがある企業の役員・経営者は、飲酒運転に対してどのように感じているのだろうか。
≪飲酒運転事故のニュースを見ると飲酒運転の怖さを感じるか≫聞いた調査において、『そう思う(計)』は、社用車ドライバーでは93.5%、マイカー通勤者では95.7%、役員・経営者では95.5%と、いずれの層においても9割半の結果となった。飲酒運転による事故のニュースは後を絶たないが、飲酒運転の怖さを感じている人は多いようだ。
また、≪飲酒運転に対する世間の目は厳しくなっていると思うか≫聞いた調査において、『そう思う(計)』は、社用車ドライバーでは95.4%、マイカー通勤者では92.4%、役員・経営者では95.0%となった。飲酒運転に対する厳しい視線を感じている人も多いことが明らかに。
職場で行われている飲酒運転の防止策 「特になし」が4割強
社用車ドライバーやマイカー通勤者、企業の役員・経営者の大多数が飲酒運転の怖さを感じていることがわかったが、職場では、どのような飲酒運転の防止策が行われているのだろうか。
社用車ドライバー(615名)に、職場で行われている飲酒運転の防止策を聞いた調査では、「特になし」が41.0%となり、4割以上の企業が飲酒運転の防止策を行っていないという結果に。
行われている飲酒運転の防止策についてみると、「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」が最も多く27.2%、次いで、「飲酒運転に対する職場の罰則を周知する」が23.6%、「飲酒運転防止マニュアルを配布する」が23.4%だった。また、「社用車運転前のアルコール検知器による社内チェックを実施する」は13.8%、「通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付ける」は12.4%だった。
また、社用車ドライバー(615名)に、職場で実施するべきだと思う飲酒運転の防止策を聞いた調査において、「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」と「お酒を多く飲むことや強いることをよしとしない風土作りをする」が26.2%、「社用車運転前のアルコール検知器による社内チェックを実施する」が25.0%となった。飲酒について学ぶ機会や、会社の飲み会における飲み過ぎを防ぐような環境作り、社用車運転前の検知器によるチェックを実施するべきと考えている社用車ドライバーが多いようだ。
なお、「特になし」が27.0%となり、社用車ドライバーの73.0%が職場で何らかの飲酒運転の防止策をする必要性を感じていることが明らかに。一方で、前の質問では41.0%が職場で飲酒運転の防止策について「特にない」と答えており、実際に運転をしている社用車ドライバーの問題意識と職場での対策に隔たりがあるようだ。
「呼気中のアルコール濃度を簡単に調べられるアルコール検知器が市販されていること」の認知率は?
社用車運転前のアルコール検知器による社内チェックや通勤前のアルコール検知器による自己チェックを実施している企業は1割強となっているが、アルコール検知器のことを知っている人はどのくらいいるのだろうか。
≪からだにお酒が残っていないか簡単に調べられる検知器が市販されていること≫を知っていたか聞いた調査において、認知率(「知っていた」、以下同様)は、社用車ドライバーでは59.7%、マイカー通勤者では51.4%、役員・経営者では60.5%となった。
また、≪マイカー通勤者に対し、通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付けている会社があること≫を知っていたか聞いた調査において、認知率は、社用車ドライバーでは58.0%、マイカー通勤者では46.5%、役員・経営者では63.0%という結果に。
また、≪社用車を運転する社員に対し、社用車の運転前にアルコールチェックを実施している会社があること≫を知っていたか聞いた調査が実施されたところ、認知率は、社用車ドライバーでは70.2%、マイカー通勤者では61.1%、役員・経営者では80.5%となった。
運送事業者では乗務前の点呼で、運転者の酒気帯びの有無を確認する際にアルコール検知器の使用が義務化されているが、社用車の運転についての酒気帯び運転への意識はまだ低いようだ。
「就業規則に飲酒運転に関する懲罰規程が記載されている」社用車ドライバーの約4割
続いて、自身の職場の飲酒運転に関する就業規則や罰則について調査が行われた。
まず、≪就業規則に飲酒運転に関する懲罰規程が記載されているか≫聞いた調査において、「はい」と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは37.2%、マイカー通勤者では31.4%、役員・経営者では35.0%という結果に。
次に、≪業務中の飲酒運転によって事故を起こすと、懲戒解雇になるか≫聞いた調査において、「はい」と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは53.0%、マイカー通勤者では41.1%、役員・経営者では61.0%となった。業務中に飲酒運転による事故を起こすと懲戒解雇になると認識している社用車ドライバーが半数以上であることが明らかに。
また、社用車ドライバーと役員・経営者には8.0ポイントの開きがみられたが、社用車ドライバーと役員・経営者の認識がズレている企業もあるのではないだろうか。さらに、≪プライベートの飲酒運転によって事故を起こすと、懲戒解雇になるか≫聞いた調査において、「はい」と回答した人の割合は、社用車ドライバーでは35.4%、マイカー通勤者では31.4%、役員・経営者では36.0%となった。