目的別|ツーリングにおすすめのバイク
北海道ツーリングにおすすめのバイク
「ライダーの聖地」とも呼ばれる北海道。本州とはケタ違いの長距離を快適に走れるとあって、夏ともなれば多くのライダーが北の大地をめざします。北海道をツーリングするなら、やはり余裕のある大排気量モデルがおすすめ。ただし、大柄なバイクを扱うにはライダーのスキルも自制心も必要です。くれぐれも無理はなさらぬよう……。
●1800cc/ホンダ・ゴールドウイングTour DCT
スポーティーかつシルキーなフィーリングの1833cc水平対向6気筒エンジンは、フロントダブルウィッシュボーンサスペンションと相まって、運動性能の高さと快適な走りを両立しています。7速DCTはクラッチレスながらダイレクトなシフト操作が可能。合計110Lの大容量リヤトランク&サドルバッグ、オーディオ、無段階調整可能な電動ウインドスクリーン、グリップヒーター、シートヒーターなど快適装備が充実。1度は乗りたい究極のツアラーです。
●1400cc/カワサキ・ZX-14R
200psを発生するエンジンが発揮する加速力は圧倒的。ただしフィーリングは極めてスムーズで、扱いやすさも備えています。スポーツ性能とジェントルさを併せ持ったZX-14Rは、ハイスピードツアラーとしてその名を馳せています。高速道路の巡航では上質な乗り味を、ワインディングロードでは車重を感じさせない軽快なライディングを楽しめます。荷掛けフック、センタースタンドなど実用的な装備も備えています。
●1300cc/スズキ・隼(ハヤブサ)
荷物満載で長旅を楽しむライダーを多く見かけるのが隼です。唯一無二の有機的なフォルムが特徴ですが、乗り味は上質でマイルド。ハンドリングもニュートラルで、意のままになる走りは、ロングツーリングでもライダーを気疲れさせません。ひとたびスロットルを開ければ197psのハイパワーエンジンが猛禽類の名にふさわしい鋭さを剥き出しにします。このジェントルとワイルド、この2面性が隼の魅力となっています。
キャンプツーリングにおすすめのバイク
バイク、ツーリング、そしてキャンプ。これほど旅情を掻き立てる組み合わせもないでしょう。自然と一体になれる乗り物で気の向くままに走り、自然にもっとも近いキャンプを楽しむ。これほど贅沢なひとときはありません。キャンプツーリングにおすすめのバイクは、積載能力と悪路走破性が高いこと。長期間のキャンプツーリングでは荷物が増えるため、積載のノウハウや、変化するハンドリングへの対応が求められます。
●1260cc/ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
イタリアの熱い血を感じさせる1台。アドベンチャーバイクにカテゴライズされ、ちょっとしたオフロードなら難なくこなしますが、基本的にはオンロードをスポーティーに駆け抜けるのが得意。トラクションコントロール、コーナリングABS、スカイフック・サスペンションEvo、ウイリーコントロール、クイックシフトなど、電子制御も盛りだくさん。爽快にワインディングロードを駆け抜けます。
●1250cc/BMW・R1250GS
世界にその名を轟かせるアドベンチャーバイクの雄。巨体に圧倒されますが、基本的にはマイルドな特性。大柄さと車重にさえ慣れてしまえば、真のオールマイティとして高速道路巡航、ワインディング、そしてオフロードと幅広い舞台で扱いやすさを発揮します。従来型より85cc排気量がアップし、トルクが増大。低回転域から高回転域までスムーズなパワーが得られ、しかも水平対向2気筒ならではの鼓動感がロングツーリングも飽きさせません。
朝ツー(朝ツーリング)を楽しもう!
家族があるアダルトライダーにとって、ツーリングの最大の障壁は時間です。乗れば乗るほど楽しくなるのがバイクですから、ひとたびツーリングに出かければどうしても時間がかかり、それに比例にして家族サービスの時間が減り、バイクという趣味に対する理解を得にくくなります。
そこでおすすめしたいのが朝のショートツーリング、いわゆる「朝ツー」。早朝を中心に走ることで、自分のバイク趣味の時間と家族サービスの時間を両立させようというものです。例えば朝5時に出発して午前10時に帰れば、5時間のツーリングが可能。地域や走り方にもよりますが、150〜200km程度のショートツーリングが十分に楽しめます。
朝ツーには、交通量が少ない時間帯に走れるというメリットも。また、自分を飽きさせないようなルート作りという楽しみ方もできます。さらに、ちょっとしたお土産などを買って帰れば家族間での「バイクポイント」もアップ。ポイントを貯めて(バイクへの理解度を高めて)、ロングツーリングも現実味を帯びることでしょう。ただし、冬の朝ツーは路面凍結の恐れがあるので注意が必要です。
関東のおすすめツーリングスポット
バイクに乗りにとって幸いなことに、日本は海に囲まれた山岳の国。地形の変化に富んでおり、走って・見て楽しいツーリング向けのスポットが数多くあります。東京からなら、奥多摩、秩父、富士五湖、湘南、箱根、伊豆、房総など身近ながら走り応えのあるスポット揃い。少し足を伸ばせば、志賀草津、霧ヶ峰などで山岳ムード満点のルートを組むことも可能です。
関東のおすすめ絶景ツーリングルート
ここではツーリングビギナー向けに“走って楽しい”関東のおすすめ絶景ツーリングルートをご紹介します。眺めがよく、アクセス良好で走りやすいルートをチョイスしてみました。いずれも王道のツーリングスポット揃い。休日には多くのライダーが集いますので、バイク仲間が増えるかも。ルールとマナーを守り、周囲の交通に気を配りながらツーリングを楽しみましょう。
●芦ノ湖/箱根スカイライン
勇大な富士山を眺めながら気持ちよく走れる快走路。眼下には芦ノ湖、三島・沼津市街や駿河湾を望み、景色は最高です。箱根スカイラインはややタイトなコーナーが続きますが、芦ノ湖スカイラインは大らかなコーナーが多いのも特徴。各所に設けられた休憩ポイントはいずれも眺望がよいので、一気に走り抜けるより、ゆっくりと立ち止まりながらのツーリングがベストです。
●西伊豆〜南伊豆
国道沿いに賑わいを見せる東伊豆とは打って変わり、どこか懐かしい漁村風情が楽しめる西伊豆〜南伊豆。変化と標高差に富んだ海岸線に沿って走れるので、海と山の両方が堪能できます。西伊豆スカイラインに上がれば山岳風景と気持ちいい輪イディングロードが味わえますし、海岸線では美しい浜辺をそぞろ歩いたり海の幸に舌鼓を打つことも。
●志賀草津道路
標高2000m級の山間を縫って走る全長約40kmのアルペンルート。国道最高地点は撮影ポイントとして多くのライダーが足を止めています。壮大な山岳風景は日本離れした迫力があり、何度訪れても飽きません。例年11月上旬〜4月下旬は通行止めとなりますが、通行できるようになってしばらくは雪の回廊を楽しむこともできます。
●つまごいパノラマライン
嬬恋の盆地を周回できる広域農道がつまごいパノラマラインです。雄大な浅間山を眺めながら広大なキャベツ畑の中を走る絶景ルートは、走り応えも十分。先に紹介した志賀草津道路や万座、鬼押し出しなどをつなぐとロングツーリングルートを組み立てることもできます。
●ビーナスライン
蓼科高原、車山高原、霧ヶ峰高原など八ヶ岳山麓の爽快な高原を縫って走る全長約76kmのロングルート。山々が織りなす光景や広大な森林はダイナミックで見応え十分。周辺には観光スポットや湖、リゾート地などが点在しており、走りのみならず観光を楽しめます。平均標高は1400m、最高地点は1920mにもなりますので、夏でも防寒を考慮した服装を用意しておくのが無難です。
文/木村公次郎