通勤途中の電車内で他の人の痴漢行動を目撃した場合、どのような行動を取るべきか。それには、あるコツがある。自分に有利になるアクションをベリーベスト法律事務所の弁護士である巽(たつみ)周平さんに教えてもらった。
痴漢を目撃した当初に考えるべきこと2つ
自分が電車内で、第三者が痴漢行為をしているところを目撃した場合、どのように対応すればいいか。巽さんによると、まず考えるべきことが2つあるという。
1.犯罪行為を止めさせ、被害者を助ける
「法律上、被害者を助ける義務があるわけではありません。しかし被害者の中には、『電車内で痴漢にあっているのに、誰も助けてくれなかった』とおっしゃる方もいます。まずは助けることを考えるのは、道徳的には当然のことではないでしょうか」
2.自らが痴漢行為をしている犯人だと疑われないようにする
「電車内の痴漢行為は混雑時に行われることが多いです。そのため被害者は誰が痴漢行為をしているのかが分かりにくい場合もあります。もし自分には関係のないことだと目の前の痴漢行為を放置していると、被害者からあなたが痴漢行為していると勘違いをされることも考えられます。そのリスクも想定する必要があるのです」
どんなアクションを取るべきか
「助ける」「犯人と疑われることを避ける」の2つを実践するためには、具体的にどんなアクションを取るべきだろうか? 巽さんは次のように話す。
「例えば、犯人が自分の手で被害者のお尻を触っているところが鮮明に見ることができた場合、犯人が触っている手首付近を掴み『痴漢行為はやめなさい』と声をかけるということが考えられる一つのアクションです。
仮に、犯人が『自分はやってない』と犯行を否認した場合、そのときあなたが『私は犯人が被害者のお尻を触っていると思った瞬間に、犯人の右手首を掴みました。その際に、犯人の指先が被害者のお尻に触れているのを見ました。』と証言すれば、あなたの目撃証言が犯人を有罪にするための、有力な証拠になり得ます」