皆さん、朝ごはんはご飯派ですか?パン派ですか?
少し前まで日本の朝ごはんのイメージと言えば「白米に味噌汁」でしたが、ライフスタイルの変化により、2011年には日本の一般家庭のパンの消費額が米の消費額を上回りました。
海外で人気のベーカリーが続々上陸したり、全国でパンイベントが開催されたり、完全に日本で市民権を獲得した「パン」ですが、中には「小麦粉を使用しているため身体に悪い」というイメージを持って敬遠している人もいるのではないでしょうか?
そんな中、全粒粉や米粉などを使用したヘルシーなパンが続々と登場し、「グルテンフリー」という言葉をよく聞くようになりました。
これらの粉の違いや特徴は何なのか?どんな栄養価があるのか?などの疑問を、無漂白の全粒粉やライ麦を使用するなど小麦粉に拘りを持たれ、ボストンで数々の賞を受賞している「Clear Flour Bread」のシェフである益山洋三氏にお話を伺いました。
お店で使用されている「全粒粉」はどのような粉ですか?小麦粉とどう違いますか?
全粒粉は、小麦を丸ごと粉状にしたものです。小麦粉は、一般的に表皮や胚芽を除いた部分を粉にしているため白色ですが、全粒粉は小麦自体を全て粉にしているため茶褐色です。
お米で言うところの精米と玄米みたいな感じですね!味にはどんな違いがありますか?
全粒粉は、表皮と胚芽が付いているため歯ごたえがあり、焼きあがると香ばしい香りがします。小麦粉で作ったパンと比較して、配合量にも寄りますがモチモチ感が少ないです。
噛み応えがあると少量で満腹感が出そうですね。カロリーや栄養価に差はありますか?
100gあたりで比較すると、カロリーは全粒粉が約340kcal、小麦粉が約368kcalで、全粒粉の方が少しだけ低いです。糖質の量は、全粒粉が約57g、小麦粉は約69gなので、こちらも全粒粉の方が少ないです。
全粒粉は胚芽をつけたままの状態で加工しているので、ミネラルやビタミンなどが小麦粉よりも多く含まれており、食物繊維も豊富です。
全粒粉の方が身体に良さそうですね!全粒粉はいわゆるグルテンフリーなのですか?
いいえ、全粒粉にもグルテンは含まれています。
小麦粉は、小麦の表皮などを取り除いた胚乳をもとに作られており、この胚乳にグルテンが含まれています。全粒粉は、先ほど説明したように小麦の表皮や胚芽、そして胚乳を付けたまま加工して作っています。つまり、グルテンは含まれるということになります。
ヘルシーな粉=グルテンフリーのイメージがあったのですが、そうとは限らないのですね。ライ麦も身体に良いイメージがあるのですが、どのような麦ですか?
ライ麦粉は、名前の通りライ麦を粉状にしたもので、噛めば噛むほどに麦の旨味や甘味を味わうことができる粉です。
ビタミンB、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれており、小麦粉と比較して栄養価が高いです。
グルテンを作る成分が入っていないため、ライ麦粉を多く配合して作ったパンはどっしりとした口当たりになるのが特徴です。