●発言例4つ
1.「女の子がお酒を注いだほうが、美味しくなるだろ」
・いわゆるお酌を強要することは、レベル1
・繰り返し執拗に発言した場合、ボディタッチなどが加わるとレベル2
2.「もっと女子力上げなよ」
ケースバイケース。「女子力」の確立した定義がないため。
・「輝いた生き方をして」のような意味だとレベル0
・「女子ならば化粧、料理等が上手で当たり前」のような意味だとレベル1
・繰り返し執拗に発言した場合、ボディタッチなどが加わるとレベル2
3.「いつ結婚するの?」
・プライベートでセンシティブな事項は、業務とは無関係。レベル1
・繰り返し執拗に発言した場合、ボディタッチなどが加わるとレベル2
4.「女は子どもを産んでこそ一人前だよ」
・古典的典型的セクハラ発言の一つ。レベル1
・繰り返し執拗に発言した場合、ボディタッチなどが加わるとレベル2
●行為例3つ
1.酒の席でお酒を勧める
・単にお酒を勧める行為に性的意図はないのでレベル0
・ただし、酔わせて、ボディタッチなどすればレベル2
・むしろ、拒否している者に対して無理やりお酒を勧めるのはパワハラの問題。
2.頭をぽんぽんと叩く。
・レベル1。態様によってはレベル2
・言葉だけでなく身体的接触を伴う場合は要注意。通常のコミュニケーションを図るのに身体的接触は不要
3.社長や役員などの地位の高い男性の隣に座るように指示する。
・単に隣に座るように指示するだけ(会話の相手になることの指示)なら、性的意図はないのでレベル0
・ただし、「当然にお酌強要」の意味を含むとすればレベル1
・「ボディタッチあり」の意味を含むとすればレベル2
忘年会に参加するメンバーは男女共にこの基準を参考にしたい。さらに会社の管理職などの管理する立場であれば、レベル1については目を光らせておく必要がありそうだ。
【取材協力】
弁護士 近藤敬氏
レイ法律事務所(代表弁護士佐藤大和)所属 東京地方裁判所裁判所書記官の経験が15年以上あり、労働専門部に6年半以上在籍。特に労働審判については、制度が創設された平成18年から制度運用全般に関わっており、労働事件に関して他の弁護士にはない圧倒的な経験を持つ。
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取材・文/石原亜香利