職場の忘年会のようなお酒の席は、オフィス内よりもセクシャルハラスメントが起きやすい場といえる。男女ともに注意しなければならない。弁護士に、忘年会中にありがちな、実はセクハラになりかねない発言や行為を聞いた。
忘年会におけるセクハラ行為について
レイ法律事務所の弁護士、近藤敬氏は、まず忘年会におけるセクハラ行為はどのような責任が生じるのか次のように話す。
「セクハラとは『相手方の意に反する性的言動』のことです。被害者は女性の場合も男性の場合もあります。一般的に、セクハラ行為の態様によっては、刑事上の犯罪にあたる場合もありますし、民事上の損害賠償責任を負うことがあり得ます。
さらに、職場においてのセクハラは、男女雇用機会均等法の規制対象となります。つまり会社側がセクハラを防止する義務があるということです。労働者が違反すると、会社から注意、指導、処分を受けます。もし忘年会でセクハラ行為が行われたときは、管理職は止めなくてはなりません。忘年会が、会社主催の飲み会である場合で、参加が強制されている、もしくは事実上強制されている場合であれば、職務の延長と理解され『職場』に当たります」
忘年会に起き得るセクハラまがいの言動7選
そこで近藤氏に、実際に忘年会で起き得るセクハラまがいの言動例7つについて、どのくらいNGなのかの基準を教えてもらった。
●判断基準
・被害者が女性の場合:平均的な女性労働者の感じ方を基準とする。
よく「受け止めたほうが『セクハラ』と感じたらセクハラである」と説明されることがあるが誤りである。
・被害者が明確に拒絶の意思表示を示したかどうかは決定的な基準とならない。
レベル0:違法ではない
レベル1:会社から注意、指導、場合により会社就業規則上の処分を受ける可能性あり
レベル2:相手から損害賠償請求を受ける可能性あり
この基準をもとに、早速、「これってセクハラなのでは?」と思う7つの発言と行動について近藤氏にレベル0~2までの判断してもらった内容を見ていこう。
ここで注意したいのが、今回挙げるのはあくまで例であるということだ。実際はケースバイケースで判断は異なる。