
今、「マー活」がさかんだ。この冬も、楽天における2018年の購買傾向として火鍋やキムチチゲ鍋、カムジャタン鍋、スンドゥブ鍋などのいわゆる「辛い鍋」は前年同期比約1.7倍の売上を記録しているという。
近頃は、特に“辛いもの好き”でなくとも一般的に辛いものを食べる機会は多いかもしれない。そこでふと気になるのが、ここまで辛いものが浸透すると、みんなの胃腸は大丈夫なのかということだ。そんな素朴な疑問を胃腸科の医師に聞いてみた。
マー活は胃腸にどんな影響をもたらすか
マー活は人々の胃腸に刺激が強いのではないか。辛すぎるものを食べることのリスクをおおさわ胃腸肛門クリニック 院長 大沢 晃弘先生に聞いた。
「よく夏バテしたときに、辛いものを食べて食欲増進!なんて昔から言われていますが、実際、その通りです。辛みの主成分であるカプサイシンは適度な量であれば、胃酸の分泌を抑え、食欲増進につながります。しかし、食べ過ぎると逆に胃酸の分泌を促進してしまい、その結果、胃の粘膜を障害し、胃痛につながります。消化が追い付かなくなると、十分に消化されないまま腸へと食べ物が流れていきます。すると今度は、腹痛、下痢症状も起こします。最後は肛門がうっ血し排便時におしりが熱くなる、なんてことまで起こりえます」
マー活中に胃腸を少しでも守るための方法
マー活が過ぎると胃腸が大変なことになるようだ。とはいえ、辛いものは食べたいという人々の欲求は尽きない。そこで大沢先生に、辛すぎるものを食べるとき、胃腸を少しでも守るための食べ合わせのいい食材などはないのかと尋ねてみた。
●乳製品を一緒に摂取する
「代表的なものに牛乳やヨーグルトなどの乳製品があります。胃の粘膜に膜を作ってくれるので、胃粘膜保護の効果が期待できます。インドカレー屋さんでラッシーが出てくるのは、理にかなっているのです」
●よく噛んで食べる
「前提として、よく噛んで食べることが大切です。少しでも消化を助けるためです。よく噛むことで唾液の分泌が促進されます。唾液にも消化酵素が含まれているからです」
●胃の刺激になるものをとりすぎない
「同時に胃の刺激になる食品をいっしょにとりすぎないことも大切です。アルコール、カフェイン、脂っこい食品、塩分が多いものがその代表です」