Googleアカウントのチェックも重要
Apple製品の紛失及び盗難に限って言えば、以上の設定を施せば情報漏洩の可能性は低い。
犯人の側に立ってみれば、ロックすら破ることのできないiPhoneやiPadを転売できる方法は殆どないのではないか。しかし今回はインドネシアでの盗難被害ということで、もしかしたらAppleのセキュリティーの強固さが新興国ではあまり知られていないのかもしれない。インドネシアでApple製品を所有できるのは、アッパーミドルクラス以上の比較的豊かな経済層の人々が主体である。
だが、それでも念には念を入れるべきである。筆者の場合はGoogle Chromeを日常的に使うから、Googleアカウントのパスワードを変更した。
Google Chromeは、フォームに入力した各IDとそのパスワードを保存する機能を備えている。それらの漏洩は致命的だ。しかしパスワードはGoogleアカウントの設定項目からいつでも変更でき、同時に使用中のものを除く全ての端末からログアウトされるようになっている。
iPhoneに限らずスマホやタブレットは、敢えて極端に言えば製品そのものを惜しむべきではない。それよりも中身の情報をいかに保護するべきか。住所と電話番号だけならまだしも、クレジットカードの番号や付き合いのある数百人の個人情報などが誰かの手に渡ってしまう。
しかしだからといって、慌ててはいけない。AppleもGoogleも、ユーザーが適切なアカウント設定さえ施せば情報漏洩の可能性は限りなくゼロに抑えられるよう仕組みを構築している。
だからこそ、まずは事前の認証設定が必要不可欠だ。
取材・文/澤田真一