Web物書きは、ネット環境さえあれば世界のどこにいても同質の仕事ができる。しかし同時に、PCとスマホが手元からなくなったら窮地に陥ってしまう商売でもある。
筆者は最近、インドネシアでそれを経験した。
ジャカルタの宿泊施設で盗難に遭ってしまったのだ。ノートPCとiPhone 6Sと初代iPad Pro、これらをごっそり盗まれた。
もちろんこれは、安全面で最善を尽くさなかった筆者の責任である。しかし、そのまま諦めて放置するわけにもいかない。何しろ、これらの端末にはあらゆる個人情報が組み込まれている。
スマホを盗まれた時に考えるべきは、端末そのものよりも中身の情報だ。今回は犯人に情報を閲覧させないための対策について解説していきたい。
パスコード設定で安全確保
Apple製品紛失時の対策といえば、まずは『iPhoneを探す』というアプリの起動。
このアプリから、盗難に遭った端末の紛失モードを有効にする。ここから端末にロックをかけると同時に、自分の電話番号を画面に表示させることができる。また、盗難端末がオンライン接続されたら位置情報を通知してくれる。
すなわち、iPhoneとiPadを盗んだ犯人がそれをWi-Fiにつなごうものなら、即座にその事実が筆者に察知されてしまうということだ。
また、筆者の端末には例外なく、画面ロック解除のための暗証番号(パスコード)が設定されている。
このパスコードを10回間違えると、iTunesから認証し直さなければならなくなる。これだけでも、自分以外の誰かが盗難端末に侵入できる可能性は低くなる。
iPhone6Sには指紋認証が実装されているが、これも複数回読み取りに失敗した場合はパスコードを要求する仕組み。このロック機構があれば一安心、とはいかないまでも、窃盗犯にとっては相当に強固な壁であることに違いはないだろう。
2ファクタ認証のススメ
ただし、その上で「2ファクタ認証」の設定も必須であると筆者は考えている。
たとえば、誰かが何かしらの手段で筆者のApple IDを手に入れたとしよう。だが謎の人物が新しい端末で筆者のIDにログインしようとしても、その通知が筆者の手持ちのiCloud接続機器(盗まれたものとは別の端末)に届く。同時に、6桁の確認コードも配信される。
それを入力しない限り、犯人は筆者のApple IDにログインできないという仕組みだ。
この2ファクタ認証をちゃんと設定していれば、以下のような事態にも対処できる。
『iPhoneを探す』から行方不明の端末を紛失モードにすると、連絡先電話番号が表示されるようになるということは先述した。それを悪用し、AppleのカスタマーサービスになりすましてSMSを盗難被害者に送るという例がある。
幸い、筆者の手元にそのようなSMSは届いていないが、こうした手口でApple IDのパスワードを聞き出し、盗難iPhoneに侵入を企てることは確かに可能だ。もちろん、本物のAppleがSMS等で顧客からパスワードを教えてもらうなどということはあり得ない。
そしてこの場合も、先ほどの2ファクタ認証が役に立つ。誰かがApple IDにログインしようとすると、それが逐次こちらに通知されるからだ。Appleはユーザーに対し、この2ファクタ認証の利用を強く推奨している。
ではここで、2ファクタ認証の設定をiPhoneに施してみよう。まずは歯車アイコンの「設定」をタップし、一番上に表示される自分の名前をさらにタップ。
すると「パスワードとセキュリティ」という項目が出てくる。
ここで2ファクタ認証をオンにできる。