ブラウザ版の利便性
さらにWhatsAppは、ブラウザ版も頻繁に利用されている。
これはWindows、Macの両OSに配信されているものだが、すべての端末がネット接続されていれば同期も自動的に行われる。これはビジネスの場でも、言い換えればSlackのような感覚で使われている。
LINEもGoogle Chromeで活用する方法があるが、こちらは正直影の薄い機能だ。やはり「LINE=スマホアプリ」というのが世間一般の共通認識ではないか。
だからこそ、海外の取引先と多少でもやり取りがある仕事をしているのなら、WhatsAppは必須のメッセージアプリと断言できる。
日本では名刺交換は初対面の直後に行う。しかし欧米ではある程度会話をはずませ、意気投合してから名刺を交換するのが普通だ。そこで電話番号の書かれた紙片を渡すのだから、これは「何かあったらいつでも連絡してください」という意味である。
欧米の発想で言えば、「友だち申請」はその時点で済んでいるのだ。あとは気兼ねなくメッセージを送っても、変に思われることは決してない。あまりに失礼なメッセージが来たら、その時は何も言わずブロックすればいい。こうして観察すると、WhatsAppは確かに欧米人の感覚から生み出されたサービスだと理解できる。
国内外でのビジネスシーンに!
とはいえ、WhatsAppは日本人にとっても非常に有益なメッセージアプリであると筆者は考えている。
先述のように、相手の電話番号を電話帳に登録すれば、そこから直接アクセスすることができる。この敏速性にはLINEも敵わないだろう。また、LINEはともすればカジュアルな印象を持たれてしまう。スタンプが充実しているのはいいが、それが災いしてビジネスパートナーとのやり取りではLINEの使用に抵抗を感じてしまう……ということもあるかもしれない。もちろん、それはあくまでも双方の認識の問題ではあるが。
WhatsAppをスマホに取り入れることで、国内外でのビジネスシーンに対して柔軟に対応できるようになる。
取材・文/澤田真一