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頭がぼーっとしている時、脳に起きていることって?

2018.12.09

ぼーっとすることのデメリット

ところで、ぼーっとすると脳が衰えるようなイメージもあるが、認知症が早まるなどのリスクはないのだろうか?

「ぼーっとするのがよいと言っても、それは、普段、脳をよく使っている人が前提です。体を動かさないと筋肉が衰えていきますね。それと同じように、脳を使わないと脳も衰えていきます。脳を使うことで、認知症の発症を遅らせたり、進行を抑えたりすると考えられています。ですから、一日中ぼーっとしてしまうと、認知症が早まる可能性はあります。また、統合失調症ではDMNが過剰に活動していることも分かっています。DMNの活動を高めればよいというわけではなく、適度に活動させることが大事であるようです」

どのくらいぼーっとすればいい?

普段、脳をフル回転しているビジネスパーソン向けに、ぼーっとする目安の時間を聞いてみた。

「特に基準となる時間は分かっていませんが、まずは数分でもぼーっとしてみてはどうでしょうか。電車の移動、信号待ち、トイレなど、待ち時間があると、すぐにスマホを触ってしまいがちですが、外界の刺激に反射的に対応してばかりだと、DMNが活動する機会が少なくなり、自分の内なる声が聞けず、自分の心を失ってしまうかもしれません。ぼーっとすることで、内なる声が聞こえて、心のメンテナンスもできると思います」

脳を日頃からフル回転している自覚がある人は、DMNを意識してぼーっとしてみるのもよさそうだ。

【取材協力】
生塩 研一(おしお けんいち)さん
近畿大学医学部・講師。1969年広島市生まれ。
広島大学大学院博士課程後期修了。博士(理学)。慶應義塾大学理工学部助手などを経て、
2012年より現職。脳の実験的研究に従事。

取材・文/石原亜香利

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