3列目席に身長172cmの筆者が着座すれば、サンルーフ付き車両で頭上に約10cm、ひざ回り空間に最大約28cmものゆとりがある2列目席を前方にスライドさせひざ回り空間を約12cmの位置にセットすれば、3列目席ひざ回り空間は約9cmのスペースが確保される。ただし、フロアはミニバンのようにほぼフラットながら、2列目席スライド用のレールがフロアに4本あり、ヒール段差(フロアからシートまでの高さ)が最小限のため、足元は狭く、ひざを抱えるような姿勢を強いられる。あくまで、小柄の人、子供、ペット専用席というわけだ。
もし、新型CR-Vのガソリンターボ、7シーター、3列シートモデルを「ミニバンの代わりに」と考えているなら、そのあたりは要確認である。
例えば同価格帯のホンダ・オデッセイの3列目席であれば、乗降のためのすき間は約16~38cmと新型CR-Vより狭いものの、身長172cmの筆者が着座すれば、頭上に14.5cm、ひざ回りに最小約14cmの余裕があり、なおかつヒール段差が約32.5cmと、新型CR-Vの2列目席の約33cm並にあり、ひざを抱えることのない自然な着座姿勢がとれるのである。しかも、オデッセイには3列目席頭上左右に後席専用エアコン吹き出し口も完備しているから、快適度は大きくリードする。
3列目席のシートサイズはCR-Vが座面長約43cm、総幅102cm。対するオデッセイは同約53cm、121cmである。
当然、ラゲッジルームの奥行きは5人乗り、2列シート車のほうがたっぷりある。具体的にはこの7シーター、3列シート車の場合は約29cmでしかなく、5人乗り、2列シートの約95cmにリードされる。が、7人乗り、3列シート車でも3列目席をフラットに倒すことで奥行きは2列目席スライド位置後端でも約92cmに達する。しかも3列目席を格納したときにフロアをフラット化するための上下2段にセットできるボードが備わり、フラット化するとラゲッジルームが上下2段(下段の高さ約10cm)で使える便利さがプラスされるのだ。ちなみに5人乗り、2列シート車ではその芸当はできない。