パリ・モーターショー2018が2018年10月に行なわれた。東京モーターショー同様、2年に1度開かれる世界有数のモーターショーのひとつだ。2018年はパリ・モーターショーにとって120周年という記念すべき年にあたる。開幕直前の日曜日にはコンコルド広場でヒストリックカーの展示とパレードを行う記念イベントが開催。広場には世界でも名立たる名車が200台以上集まり、クルマを通して120年という長い月日を感じことができるという、クルマ好きには垂涎のイベントだった。
2018年のパリ・モーターショーもまた近年開催されているモーターショーの例に漏れず、参加メーカーが減少している。なかでも世界で最も多くのクルマを販売するフォルクスワーゲン・グループの主軸であるフォルクスワーゲンがなんと欠席。これには自動車業界が大きな衝撃を受けた。参加メーカーの減少にともない自動車メーカーの展示スペースも大幅に縮小。その広さは全盛期の半分ほどではと思えるほど小さくなっていていたのだ。
7世代目となる新型『3シリーズ』
出展者の減少により、発表されるニューモデルやコンセプトカーの数は少なくかった。とはいうものの、それなりに見応えを感じたのは、地元フランス勢とドイツ・メーカーを中心に注目のモデルが輩出されたことが大きい。なかでも日本のクルマ好きが最も気になるのは、今回で7世代目となる新型3シリーズだろう。
新しくなった3シリーズは基本的に先代の正常進化型と言っていい。これまでよりも抑揚が強調されたスタイリングは、BMWの特徴であるキドニーグリルやCピラーの付け根にデザインされたホッフマイスター・キンクが新しい意匠になるなど進化の跡はあちらこちらに見られるものの、紛うことなきBMWそして3シリーズに見える。ボディサイズは全方位的に拡大。全長4709mm、全幅1827mm、全高1442mmは先代比でそれぞれ、76mm長く、16mm幅広く、1mm高い。ホイールベースも41mm延長され、2851mmになった。インテリアもBMW特有のデザインを踏襲。メーターが全面液晶式になったのもトピックだ。
プラットフォームをはじめ中身は先代の進化版。50:50という前後重量配分にこだわりつつ、ブラッシュアップが図られている。最大で55kg軽くするなど、ボディの軽量化も怠っていない。オプションながらスマートフォンによる施錠も行えるようになるなどインフォテイメントシステムや運転支援システムも最新版へと進化を遂げている。