年金制度の破綻はいつか訪れる?
上記で説明したように、このまま少子高齢化が進んでいけば、将来もらえる年金受給額がさらに減少していくと予測できる。このような状況から、「将来、年金をもらえる保証がないのでは?」と疑問に感じる人が増えているのだろう。では、実際に公的年金制度が破綻してしまう可能性は存在するのだろうか?
海外の事例を見てみよう。ギリシャは過去に財政破綻を経験しているが、その要因の一つとして公的年金制度の赤字が大きすぎることが挙げられている。ギリシャも日本と同様に少子高齢化が進み、現役世代の人口が減少していたにも関わらず、現役時代の約8割もの所得が得られるという年金受給額の水準が財政を圧迫する結果になった。
このように、少子高齢化が進んでいるにも関わらず、日本でも年金受給額の維持・増額に踏み切ろうとすれば、年金制度の破綻もしくは財政破綻につながる恐れはあるだろう。それを防ぐために「マクロ経済スライド」が導入されているということを理解しておく必要はあるだろう。
年金制度の破綻もゼロではない。老後に向けて対策を
これまで説明してきたように、日本社会の現状を踏まえれば、将来もらえる年金受給額がさらに減少していく可能性は高く、年金制度が破綻してしまう可能性もゼロではない(すでに破綻しているのでは、という見方もある)。
そのため、いま現役世代として働いている人は老後の不安を少しでも減らすために、計画的な貯蓄などを始めておくべきだろう。
文/praia