少子高齢化が進む日本では、2008年頃から年々人口が減りはじめ、最初は毎年、数万人程度だったが徐々に減少幅も大きくなり、2017年には1年間では約30万人も減少した。
このまま少子高齢化が加速すると、2015年には労働可能な現役世代2.3人が1人の高齢者を支えていたものが、2040年には1.5人が1人の高齢者を支えることになると予測されており、現役世代の負担は増すばかりだ。
このような状況から、「自分は将来、本当に年金をもらえるのだろうか?」と不安に思う人も多く、“年金制度破綻”といったワードを新聞やニュースで目にする機会も多い。そこで今回は、皆さんが気になっているであろう年金制度破綻の可能性や老後に向けた対策について説明していく。
厚生年金制度が破綻する可能性は?
まず、日本においてこのまま少子高齢化が進んでいくのはまず間違いないだろう。そうなると、必然的に人口が減少していき、国民年金及び厚生年金の積立金が次第に枯渇していってしまう可能性は十分に考えられる。
年金制度の破綻を防ぐ仕組みとは
一方で、年金制度には、破綻を避けるために年金給付額を調整する「マクロ経済スライド」が導入されているのはご存知だろうか? これは年金支給額決定にあたって、物価や賃金の変化、年金を支える現役世代の減少等を反映させ、年金財政が破綻するリスクを抑える仕組みである。ただ、現在受給している高齢者と比べれば、今後の受給者となる世代の給付水準が下がってしまうのは否めない。
実際に、厚生労働省が発表したデータによると、厚生年金の平均受給額は2006年度は月額16万5211円だったが、2015年度は月額14万7872円となっており、10年間で約1万7千円も減額となっている。