医療費控除は多額の医療費を支払ったとき、確定申告を行うことで還付される制度です。目安となる額は一般的な世帯なら年間10万円(毎年1月1日~12月31日の合算)。最高200万円まで戻ってくるので、もし10万円を超えるのなら、領収書をかき集め対象となる医療費を、もれなく入れたいものですね。
では、その中に各種の予防接種は入るのでしょうか?
小さな子どものいる家庭では頻繁に受けますし、成人・高齢者のインフルエンザ対策もあります。中には複数回接種が必要なものもあるので、家族が多いほど気になります。
結論から先に言いますと、原則としてこれらの予防接種は対象になりません。なぜなら、医療費控除は病気やケガなどの「治療」を前提としたもので、「予防」は除外されているからです。*B型肝炎ワクチンの接種は、B型肝炎にかかっている人の介護等にあたり、医師が必要と認めた場合は対象となります。
それでも何かしらの助成はあるので、上手に利用して医療費を少しでも抑えたいものです。以下、代表的な予防接種を例に、目的や助成について説明します。
日本の定期、任意予防接種スケジュール(国立感染症研究所資料より)
なお、市区町村により助成額には差があります。詳細は住民票のある役所に問い合わせてください。*文中の「定期接種」は法律に基づいて実施され、市区町村の公費負担あり。「任意接種」は全額自己負担が原則です。