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現代の名工に選ばれた芋焼酎の杜氏が作った次世代の焼酎

2018.11.18

 米や麦に比べ、芋は焼酎にした時に素材の香りが強く出る。それが苦手という人もかつていたが、焼酎ブームのおかげで「芋臭い」は「芋のよい香り」と認識が変わった。そして今、さらに芋焼酎は変化を遂げ、多くの蔵でより特長のあるものを造ろうとしている。

現代の名工に選ばれた芋焼酎の杜氏

 昭和42(1967)年度から毎年厚生労働省が発表している「現代の名工」は、卓越した技能を持ち、その道で第一人者と目されている技術者を表彰する制度のこと。毎年全国のあらゆる分野から約150名(1995年までは約100名)が選出され、第52回にあたる本年は、11月12日に2018年度の表彰式が行われた。

 これまでの表彰者数は6346名。芋焼酎関連では昨年(2017年)、第14部門(食料品製造の職業等の分野)で鹿児島県霧島市の国分酒造の杜氏、安田宣久さんが受賞した。芋焼酎の杜氏としては3人目のことだった。

 厚生労働省の資料によると、受賞理由はこのように記されている。

 芋焼酎製造に長年従事し培った技能を有し、特に製麹技能に卓越している。蒸した芋に直接種麹を付けて発酵させる固体発酵による芋麹の製法を確立し、芋麹による芋100%焼酎を開発したほか、製麹に三昼夜かける「老麹」と二次醪の長期醗酵という大正時代の手法を再現した芋焼酎の開発等、既存の製法に囚われない芋焼酎の開発に取り組んでいる。また、研究会で芋麹に関する技能の伝承に取り組むなど、後進の指導・育成に貢献している。

 これを読んで、「あの焼酎だ」と、ラベルが思い浮かんだ方、いますよね!?

新たなファンを増やしたい

 2003年頃に起こった焼酎ブームは、とくに芋焼酎業界に大きな変革をもたらした。それまで九州中心で成り立っていたものが、いきなり関東や関西の大都市圏から注文が殺到。前年に仕込んだ焼酎は瞬く間に売り切れ、秋には在庫切れの蔵が続出。地元で普通に飲まれていた定番酒でさえ、「銘柄を問わずひとり1本までの販売」の制限がついたこともあった。

 あれから約15年。ブーム時のような賑わいはないものの、芋焼酎は確実に全国へと広まった。そして「造れば売れる」から、「品質・個性を磨く」時代へと変わった。各蔵は昔ながらの焼酎ファンを満足させる一方、新たなファンも増やすことにも力を注いでいる。

杜氏の名を冠した芋焼酎

 安田さんが杜氏を務める国分酒造もそんな蔵のひとつだ。

 代表銘柄は「さつま国分」だが、1998年から世に送り出している「いも麹芋」の名を挙げる方も多いはず。それまでの芋焼酎は米麹に芋を加えて造っていたのに対し、麹も芋を使う、100%芋だけの焼酎造りに成功したパイオニアでもある。

 その後、大正時代の老麹を用いた「大正の一滴」。大正時代から昭和初期まで流通していた芋(蔓無源氏)を復活させて造った「蔓無源氏」などを出し、2013年には「いも麹芋」と「蔓無源氏」、両方の特徴を兼ね備えた「安田」を発表した。

 杜氏の名を冠していることから、力の入れようは伝わってくる。その反響はとても大きかった。マスカットやライチなど果物系の風味があり、今までの芋焼酎の常識を覆すようなフルーティな味わいがあったからだ。

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